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活字の大きさ。

◇冷蔵庫の中身を一気に片づけるため、朝から鍋いっぱいの味噌汁を作る。なかなかおいしかった(笑)。昨日は火曜日で、近くのスーパーが100円の巻きずしを売り出す日だったが、忙しかったので買いに行くのをあきらめていた。夕方ちょっと立ち寄ってみたら、まだ残っていたばかりか半額になっていたので、ラッキー!と、隣りにいたどこかの奥さまと「やっぱえびフライのがいいですかね」などと話しながら、四本買ってきた。これと味噌汁で数日は行けるかもしれない。

◇「ブラウン神父」の文庫本が古本屋から届いた。さっそく読み出す。やっぱりブラウン神父は小柄だったんじゃないかー! だからDVDは違和感あったのよな。
萩原朔太郎の詩のような、不思議な雰囲気はあいかわらず素敵だが、いかんせん昔の本だから、活字がもうやたらに小さく、寝ながら読んでると、けっこうな苦行だ。母が「年とったら本を読もうと思っていたけど、実際には読まないものだ」と言ってたっけが、もしかしたらこの活字の小ささのせいもあったのかな。だとしたら、今の高齢者は本当に恵まれている。

クッツェーの「モラルの話」も、活字がすごく大きい。大きいだけでなく鮮明。とても目に快い。思わずぺろりと、なめあげる感じで読んでしまった。短編のいくつかで主人公になってる作家で老女のエリザベスの状況や心理が、もうなかなか私自身にも重なって、切実でもあった。辺境の村でたくさんの猫と暮らして、死期がせまるとか、もうぴったりすぎて笑えない。そして最後に近くなって、強く出てくる動物たちへの人間としての罪悪感。
デカルトが、ウサギを生きたまま解剖した話は初めて知った。小林エリカの小説に出てきた、アメリカで電気で焼き殺された象とともに、忘れられない、忘れてはいけない話として、心のファイルに保存することになりそうだ。

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カツジ猫