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流れるようにほとばしれ

当面の方向がなかなか決められないもんだから、とにかくもう、ふっとやりたいことから始めて流れにまかせて走ろうかと、この前から読みたかった岩波の日本文学史の和歌に関する部分を読み飛ばしてる。昔読んだのだけど当然覚えてないし、漠然と予想はしてたけど、和歌の分野の作家や作品の豊潤さや複雑さに目が回ってる。

私が一応専門にしていた江戸紀行を私以外に研究する人がなかなかいないので、安心したりものたりなかったりしていたけど、そうそういるわけないわ、和歌の世界だけでもこれだけ知ること、調べること、やることが多いんじゃーなー。優秀な頭脳も頑強な肉体(重い本を運んだり資料をひっくりかえしたり、徹夜や長途の旅行やら国文学研究なんてほとんど肉体労働です)も、兵力は大半そっちに投入されるのもやむをえん。しかも最近はけっこうな政府のおかげで大学の予算は削りまくられ、事務の書類仕事や大学の行政まで、研究者がやらなくちゃいけない状況なんだからなー。

一方で政治の中枢をになう人の教養のなさ、知識のなさは目をおおうなんてものじゃないし、若い学生たちにしても生活や日常に追いまくられて、基本的な文学も古典もほとんど知らないままに生きてる。この格差や落差はものすごくて、経済的な格差とリンクもしてるんだろうけど、それだけではなく、大富裕層や権力者の知識や教養のなさもあるから(そう言えば富裕層のはしくれだった、私の叔母や叔父だって、ほとんど本なんて読まなかったような気がする)、この格差は今の日本でちょっとものすごいことになってるんじゃあるまいか。

私はその序列の中で中の下とかだったら、まだいいのだけど、下手したら上の下ぐらいにいるんじゃないかと恐くなるほど、日本(だけかどうか知らないが)の知識や教養やひいては知性の劣化や衰退はすごい。そういう中でせめて私にできること、私にしかできないことと言えば、その頂点のトップクラスの知識と、何も知らない本も読まない人たちの仲介をして、最高の知識をわかりやすく面白く初心者に伝えることでしかないのではないかと、ずっと思ってきた。

自分が専門的な研究者として第一線にとどまることと、まったくの初心者や素人の人たちにその知識を教えることは、私の場合はどっちも欠かせず、どっちも最前線である。だけどそれは、最近、若い友人にぼやいたように「北極と南極ぐらいの遠さをつなぎあわせようとすること」で、ただまあこれは私に向いた仕事とは思う。もしかしたら赤道と北極ぐらいには接近させられるかもしれないけど。

「金時計文庫」で公開してる、大学の授業用のテキストは皆それです。まちがいもあるかと思いますが、お一人ででもグループでも何なら大学の授業でも、じゃかすかダウンロードして使っていただければ、私もちょっとは生きてる責任が果たせそうな気がします。

ここ数日風邪気味で、38度から36度と熱が乱高下しています。昨日夏のふとんを干してタオルケットを洗って、毛布と羽根布団で冬用のベッドにしたのが重労働過ぎたかな。今日はもちょっと、のんびり行こう。

あー渋柿の皮まだむいてなーい! 大丈夫かな。焼酎につけていた渋柿を昨日食べてみたら、渋さはなかったけど何かいまいちの味や舌触りだったから、やる気が失せたっつうのもあるんだけど。写真はご近所の柿です(笑)。

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カツジ猫