片づかない片づかない
◎ゆきうさぎさん
家の片づけは本当にうまくいかない。
私の場合、ぐちゃぐちゃの本と資料を整理するには、とにかく仕事(論文を書く、原稿を書く)をしなければならないわけですが、仕事をしていると必然的になぜかあたりは散らかるという、悪魔のスパイラルにおちいっています。な、なにか発想の転換をしなければ、と座り込んで考えている時間も惜しいし。
パソコンのニュースを見ていると、生活保護を切り下げて防衛費を4億円上げるという二つのニュースがたまたま並んでいて、ものすごいブラックユーモアでした。
私は皇室も自衛隊もなくていいと思っていますが、現在あるからには、そこに実際にいる生身の人間たちの心身の安全は絶対に保障しなければいけないと思っています。だから、自衛隊員を不要な危険にさらさないための予算は否定しません。しかし、死にかけている人たちを救済する金を削って、4億円国防費を増額するというのはどう考えてもおかしくないですか。敵に殺される前にそういう人たちを死なせてしまったら何にもならないでしょうに。
そういうことを私が言うと、生活保護を受けている人は死にかけてなんかいないで、ぜいたくでとか何とかまた言う人がいるんでしょうね。
つくづく不思議に思うんですが、そういう、明らかに問題がある人が受給している例があるなら、それをどうするかを考えればいいのに、「そういうことがないために」と、いきなり全体を厳しくしてしまう、その手抜きと大ざっぱさは何とかなりませんか。政府の政策もマスコミの報道も国民の脳内も。
私は大学改革でつくづく思い知ったんですが、「怠けている人を排除するために」とか言って、評価や条件を厳しくすればするほど、その共同体で一番良心的で有能で誠実で精力的で、つまり一番「怠けていない」人が真っ先に倒れます。怠けている人なんか、そんな「怠けていない人」が皆死んでいなくなるまで絶対に働かないし出て行きもしません。
生活保護だってそれと同じ、基準を厳しくするほど、すぐれて良心的でたまたま不運なだけで再起したら社会のために立派に役立つ、つまり一番保護しなきゃならない人が、まず切り捨てられて苦しんで消えるでしょう。「何であんなやつが」と思われる人は絶対に生き残る。
本当にそんなやつと対決しようと思ったら、法律や基準をやみくもに厳しくしたりなんかしないで、もっと直接その現実に向き合って何とかするべきです。ひとくくりに厳しくするやり方って、しかも文句を言われないやりやすいところから厳しくするやり方って、一番甘くてだらしない対策ですよ。
なんてこと言ってるヒマはないので、仕事をします。