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狂気の集団

いろいろ疲れて、今日は久しぶりに昼過ぎまで寝ていた。私が我ながら立派だと思うのは、こういう時に罪の意識も何も感じないで、クマが快適な巣穴に戻ったようないい気分にしかならないことだ。
のそのそ起きて料理などしていて、ふと外に出ると、ノコギリの音がいつもとちがった方向で聞こえていて、あれっと思って行ってみたら、もう崖の上の栗の木は、切り倒されてしまっていた。最期を見届けてやりたかったけど、残念だ。
残った切り株を見たら、思っていたより細くてびっくりした。ずいぶんな巨木と思っていたのに、枝の茂り方や広がり方がすごかったのだな。

でも、まだその奥の方に何本か大きな木があるので、崖の上ががらんとなった感じは案外しない。
日曜日、工事のない時に、切り株のところに行ってみようかと思ったり、草の中にヘビさんでもいて、咬まれたらいやだなと思ったり。

プロ野球のプレミア12が、だんだん人気が出てるのだって。この季節まで野球が見られるとネットで喜んでいる人もいるが、何だか24時間営業のコンビニや、雪の中でも咲くリュウキュウアサガオみたいでもある。

仕事が進まない合間に、ネットでちらちら見るのにはいい時間つぶしなので、飛ばし飛ばしに試合を見ている。で、サブマリンの高橋礼投手はかわいいが、アンダースローというと私の頭には、「博多とんこつラーメンズ」の兇暴でガキっぽい猿渡君が刷り込まれすぎているので、二人のどっちもが悪いわけじゃないが、あまりの完璧なキャラの落差に目まいがする。

私の対人間のミーハーな好みは我ながらまったく首尾一貫性がないので、ハニートラップをしかけようと思っても、どんな人材を選べばいいのか敵は困るだろう(何の話だ)。「博多とんこつラーメンズ」は、端役まで皆好きだが、しいて言うなら、馬場と斎藤が好きで、これはまあ、特に後者は弱い男が好きだという私の主義主張に合わないこともない。しかし、その二人にも増して、あのバカで「面倒な人」と馬場からうざがられる北九州弁の殺し屋のアホな猿渡がとっても好きなのは、自分でも理解し難い。

プレミア12の話に戻るが、明日だっけかに韓国との対戦がある。それでヤフーのコメント欄を見たら、優勝しなくてもいいから韓国にだけは勝ってくれみたいなコメントが目白押しで、笑っている水準を超えて、そぞろ気持ちが悪くなった。
こういうネットの書きこみって「桜を見る会にこだわって、国政問題を野党は放棄している」といった、すっとぼけた悪口の数々は、どうせ金もらった業者がやってるんだろご苦労様と笑えるが、いくら財界や権力者側に金が余っていたからって、こんなしょうもない話題にまで書きこませるかはさすがに怪しい。ということは、こんなことを本気で望んで書かずにいられない狂気の集団って、そこそこ存在するのかと思うと、しんそこげっそりする。

日本のプロ野球選手の中にだって、韓国の血を引く人はいるはずだし、そんな人の気持ちも考えないのだろうか。だいたい、言っちゃ何だが、たかが野球だろ。「あの国だけはたたきのめして」と本気で思いながらスポーツ見てたら、神経がもたないだろうに。
私は、こういうことを真剣に言う人たちを見ていると、逆に、愛国心がないし、日本のことを真剣に考えてないよなあと、その不真面目ぶりに腹が立つ。たかがもう、棒で球をひっぱたく競技をひいきするのに、自分の愛する国への思いなんて大事なものをごっちゃにするなよ。その程度の愛国心かと嘆かわしくなるんですけど。ちがいます?

でも、そう言えば、フィギュアスケートでも韓国の選手との対決で妙にこじれて盛り上がって、私なんか見るのもいやになったっけなあと思い出して、この分では野球への興味もさめるかなと思っていたら、さすがにヤフー以外の掲示板では、どこもそれほどバカではなくて、ちゃんと韓国選手へのフォローもあって、やっとまた息ができるようになった思いだ。さっき見た「侍ジャパンで乱闘になったら、誰が頼りになるか」という、一見危なそうなスレッド(一番下のコメント欄まで見てね)では、最近の選手はおとなしいから、乱闘になりそうになっても、皆ベンチに座って出て来ないとか、むしろのんきな現状が披瀝されていて、けっこう笑えた。

まあ、私も実は韓流ドラマや映画は、理屈以前の何かで、どうしても肌に合わないで長く見ていられないんだけどね。韓国とは関係ないが、ご近所の若いご夫婦がはまってる畠中恵さんの小説も、どういうか、文章のリズムや流れが、どうしても受けつけられず、読めない。ひまになったら、修行のつもりで読破してみようかとは、ちらと思ったりもするけど、老い先短い今、そんなことに時間を費やして、成長したり自分を強化したり能力アップしたりしても、それ使うひまがあるんかなと思うと、いまひとつ、気が乗らない。

そういう好みはどうしようもないし、その延長線上で、韓国チーム負けろ、見たくもないという心境や発言は、それはアリとも思うんだよね。ただそれが、いつの間にか、愛国心や国家意識に横滑りする可能性もあって、これはほんとに難しい。韓国の悪口を言う人と並んで、韓国のあの選手ステキでカッコいいとかいう書き込みが、平気でできるようになる状態があるかどうかが、ひとつの目安ではあるかもしれない。

私が長々こうやって、ブログなどでおしゃべりするのは、ヒマじゃなくって忙しいからです。本来の仕事の計画やイメージがどうしてもまとまらなくって、のたうちまわってる逃避なんですよ。だから、「そんなアホなこと書いてる間に仕事しろ」と言われても、それはそううまくは行きません。
とは言え、そうも言ってられないから、そろそろ仕事に戻ります。

さっき、琉球アサガオのことを書きましたが、この花は強すぎて、はびこりすぎて、駆逐するのに手を焼いていたのですが、この前こわした古い方の猫小屋の写真を最後に撮ったとき、思いがけず一輪の琉球アサガオが、小屋を飾ってくれました。しばらく、そのシリーズの写真を紹介しておきます。

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カツジ猫