猫は野球選手じゃない
おばあさん猫のグレイスが、ここ数日の命じゃないかと思って、それならせいぜい最後の時間はゆっくりいっしょに過ごしてやろうと、散らかりまくった居間の片づけを急いでいたのだが、今日、病院に連れて行って点滴とかしてもらったら、まだそこそこ元気なようで、もうちょっと時間の余裕がありそうだ。ホッカイロを入れて暖かくしてやって、今夜はそっとしておくことにする。
もふもふ猫のカツジの方は、毎晩私がベッドに入ると、すぐやって来て、首のあたりにくっついて寝る。こいつは昔から、あまりお化粧をしない猫だったのだが、最近やけに前足でせっせと顔を洗うようになった。
この猫は、昔から、片足をだらんと前にたらす癖があって、それもたらす方の足が決まっていた気がする。どっちか忘れたけど。それと関係あるのかどうか、今も顔を洗うとき、使う前足は右だけで、左を使っているのを見たことがない。野球選手じゃあるまいし、普通、スイッチヒッターでなくても、猫は左右どっちもの手を使って顔を洗うもんだろ。
常夜灯の薄明かりの中で、私の顔のわきでせっせと顔を洗っているカツジの顔を、夢見心地で見ていて、そんなんじゃ、左半分の顔は洗えないだろうがと思っていたら、どうやら、思いきり右手を伸ばして、左側の眼や顔まで、洗おうとしている気配がある。そりゃ無理だよと注意してやりたくてもしようがない。そのうち私も寝てしまう。
ワクチン担当になった、河野太郎大臣ら三人のことを、自民党の元議員が、三人の頭文字から「KKKチームに期待」とかブログで書いて、KKKと言ったらアメリカの極右狂信集団クー・クラックス・クランじゃないかと皆にたたかれて訂正したらしい。何かもう、あほらし過ぎてため息しか出ない。
写真は台所の窓べ。ここにある小さい花びんや入れ物に、しおれかけた花の先だけを入れて、最後の美しさを楽しませてもらっている。