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現金なもので

曇っているが、まあまあの天気だ。裏の崖では朝からごとごとブルトーザーが動いている。そんなに気に障る音の大きさでもないが、さすがに猫は耳がいいのか、カツジは朝ごはんの皿に頭をつっこみかけては、ふと顔を上げて耳をすませている。上の家の灰色猫グレイスは、ずっと音に近いはずだが、別に気にしていないようで、さすがに年の功かもしれない。

気がつけば、一昨年、若い人が真夏の熱波の中、苦労して作ってくれた私の家の裏の擁壁も崩されてあとかたもなくなっていた。多分以前に写真は撮っておいたと思うのだが、念のためにもう一度撮っておこうと思っていたが、その暇もなかった。

崖はかなり削られてかなり低くなっているので、擁壁の高さがどのくらいになるかはわからない。どうやらL字形の土台になるらしくて、底の部分は私の土地に食い込むかたちになるようだ。その方が擁壁の強度としては安全だから、もちろん私に文句はないが、そのために、私の土地も、かなり家の犬走りぎりぎりまで削られている。

叔母が生前、裏の崖が崩れて、私が寝たまま生き埋めになるのではないかと、しょっちゅう気にしていたので、これで安心してくれるだろう。そういうこともあって、工事の音も、たまにずしんとかすかな衝撃がくるのも、苦にはならない。現金なものだ。

昨日の授業で学生に江戸時代の和本の実物を見せたら、複製でもいいから買いたいと言って来た人もいた。大学の専任の先生(実録の研究では有名な菊池先生だ)に聞いてみてと言ったが、たとえば、こういう古本屋のサイトもあって、新着の古本のリストもある。
こんな高いのを買う必要はないが、端本(三巻の中の一巻だけとか)なら、1~2万円程度で買えるのもある。もっと安いのもあるかもしれない。
他の古本屋のサイトなども見て、探してみればいいし、福岡近辺にも古い和書をおいている古本屋がないわけではないので、ネットを駆使してさがして見てほしい。

かつて中野三敏先生は、江戸時代を手のひらにのせることもできるのだから、和書を買って自分のものにするべきだと何度も若い学生に言っておられた。そういう趣味を持つ学生がいてくれたら、とてもうれしい。そういう学生に売るために、私も少し安い和本を買い漁っておこうかな。

写真は先日お話しした、古いネズミの人形です。これから一年、玄関でお客を出迎えてもらいます。

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カツジ猫