眠り姫。
◇昨日ワクチン注射をしたカツジ猫が、朝からずっと、ゆうべと同じクッションの上で、眠り姫みたく寝つづけているものだから、さすがにちょっと心配になって、「猫 ワクチン 元気がない」とネットで検索したら、同じことを心配している人の相談がずらずら出てきた。まあ大抵心配はないとのことだが、たまーに体調を崩して死んでしまう猫もいるとか恐いことが書いてあって、いささかびびった。
それで上の家を片づけに行くのもやめて、ずっと彼が寝ているそばで仕事をしていた。幸いなことに、仕事はどこに座っても山のようにあるので、困らない。
ときどき行ってさわって見ると、あくびをしたり、のどを鳴らしたりするので、そう心配はなかろうと思いつつ、チュールでもなめさせてみようかと、エサ箱から取りだしていたら、もそーっとした顔で起きてきた。チュールを指につけてさし出すとぺろぺろなめて、皿にのせてやったら、きれいに食べて、外に出て行った。
まだ何となくぼうっとしているが、一応いつもの庭の棚の上に寝そべったり、そのへんを歩きまわったりして、だんだん普通になってきているようだから、多分こんなもんなんだろう。
◇実は一昨日、近くの大型家具店で、茶色の樹脂製の、すきとおったソファテーブルを見つけた。何を考えて作ったのかわからない、ちょっと不思議なデザインで、上の家の風呂場においたら面白いんじゃないかと思って、「でもまだ家が片づいていないので、取り置きをしてもらえるか、それともメーカーに注文できるのか」と聞いてみたら、問い合わせてくれて、もう廃番になってて現品限りらしく、いきなり半額にしてくれた。
取り置きも月末までしてくれるとのことだったが、私は何だか調子に乗って、その後、山と荷物をつめこんである上の家の風呂場を攻略にかかった。居間も台所も再びぐちゃぐちゃになったが、何とか風呂場を空にして、昨日、テーブルを引き取りに行って、車に積んで帰ってきた。
大きさも測っていなかったので、ひょっとして大きすぎたらどうしようと冷や冷やしていたが、理想的にばっちりはまって、雰囲気もねらった通り、風変わりで悪くなかった。これでまた、片づけにはずみがつくから、うまく行けば案外早く、居間も台所もまたきれいになって(あくまで私の基準だが)、そうしたら残るは書庫と二階に行く階段下の小部屋だけだ。そこのイメージもだいたい構想ができているので、迷いはない。
暑くなる前に何とか快適な住まいを作り上げたいものだが、案外うまく行くかもしれない。
今日の午後は眠り姫カツジが気になって、予定の仕事ができなかったが、まあ夕方少しは片づけられたし、疲れないよう、ぼちぼちやろう。
◇今朝は共産党の後援会だか世話人会だかの集まりがあったので、ゆうべ作った多喜二の資料を皆にあげた。市民連合オール宗像主催の、共謀罪阻止のための10日の集会への参加も呼びかけておいた。
地域のための活動の一つで、市内を流れる山田川の川岸が草ぼうぼうで氾濫の危険もあるから何とかしないとという話のときに、私がつい「通り過ぎるたびに、死体を捨てるのにいい場所だと思ってしまいますもんねえ」と何気なく言ったら、皆うっと息をのんでいた(笑)。
会の予算はほとんどないのだが、集会のときに持って行く旗かのぼりを作りたいという声もあって、テーマソングもあったらいいんじゃないかという意見も出て、新しく作らなくても、何かいい歌を選んでテーマソングに決めたらいいという人もいて、そのついでに、昔のものすごく古い歌もたまには歌ってもいいんじゃないか、インターナショナルなんて知らない人もいるよ、みたいな話になって、歌声運動やってる男性と私で思わず「民族独立行動隊」の歌を合唱してしまった。私は二番まで歌えた。でも、今の若い人がこの歌詞を聞いたら右翼の歌と思うんじゃないかと誰かが言って大笑いになった。
でもね私、高校のとき読んだ何かの本で、ソビエトの人たちが戦いの中でこういう歌を歌うとき、「インターナショナル」とちがって「民族独立行動隊」はロシアの歌なので、その哀愁をこめたメロディーが心にしっくりくる、という文章をちらっと読んだことがあって、それが今も印象に残っているんだよね。ふうん、そんなものなんだあ、と思ったのを今も忘れない。
でも、あれっていったい、何の本だったんだろう。世界ノンフィクション全集だったかしら。「白バラは散らず」や「セポイの乱」「自由フランスの旗の下に」、グレッグの「尋問」、フウチークの「絞首台からのレポート」なんかも、私はあの全集で読んだのだけど。