石破さん。
◇自民党総裁選に立候補した石破さんについて、いろいろ文句や不満を言ってる人もいれば、そんなこと言ってる場合じゃないと言ってる人もいる。テレビなどで、その発言の様子を見ていて、「ちゃんと話のすじが通っているし、質問と答えがかみあっているし、アベとは大違いだ」と評価しつつ、「そんなあたりまえのことを、こんなに立派に思えてしまうほど、要求水準が低くなってしまったのが我ながら情けない」という嘆きをもらす人もいる。
私は前から、アベ以外なら故たま駅長(猫です)でもいいと真剣に言って回っていたほどだから、石破さんは上等すぎるぐらい満足で、何の不満もない。
特に、いろんな人の言うことを聞いていると、誰もが忘れてるか気づいてないか、言わないのがふしぎでたまらないのが、石破さんが、こんな独裁と脅迫の体制の中で、立候補したという点だ。私はもうそれだけでも、石破さんを信頼するし評価するし応援する。何も恥しいとは思わない。悲しくもない。
◇アベと、その仲間は、沖縄に一日二千万の賠償を要求し、総裁選に対抗馬を出したら、以後は党内にいられなくしてやるみたいな、非常識で恥知らずな恫喝を堂々として来るまでになっている。
あまりにバカの骨頂なので、ほとんど鼻で笑うしか反応が思いつけないレベルだが、もちろん狂気の人が機関銃かサリンの袋を持ってるような、手のつけられない怖さはたしかで、だからこそ、大の大人の、いっちょまえの政治家たちが、縮みあがって唯々諾々と、アベの言いなりになっている。
それなりに、えらそうな計算やら政治力学やらは、あるつもりでいるのかは知らないが、要するに抵抗も反抗もする気概も知恵もないとしか言いようはない。言っとくがそういう気概や知恵というのは、使わないでいると、なまって腐って、どんどんだめになる。その、なれのはてが今の自民党だ。
◇石破さんは、とにかく、それに従わず、反旗をひるがえしたのだ。って、当然のことをしているだけだが、それをしたらひどい目にあうことをわかっていて、そうしたのだ。
私には、もうそれだけで十分だ。それができる人というだけで、どんな人か七割か八割は、ひょっとしたら九割はわかる。大盤振る舞いすぎるかもしれないが、死刑に賛成で夫婦別姓に反対で原発推進で改憲賛成でも(いや、そうかどうかは知りません。たとえそうでもってことです)、何の文句もない。
野党や左翼やリベラルの人だって、同じ立場で同じことができる人は(つまり今の自民党のあのような状態の中で、ああいう総理を相手にして戦う決意ができる人は)、どれだけいるか怪しいものだ。
石破さんの立候補に対して、変に及び腰でぐちぐち嘆きながら支持してる人しかいないのを見ると、ますますそう思う。くり返す、あの今の自民党の中で、アベの気に食わないことをやれるだけで、満足じゃないのか。十分じゃないのか。私を信頼させる証明書は、もうそれだけで、他は何もいらんよ。
◇状況はそれだけせっぱつまってもいる。この今の段階で、石破さんに文句つける人の良心や理想を私は信じない。同じように、この状況の中で、共産党に文句つけたり距離をおいたりする人の良心や理想も私は信じない。餅の絵描いて一人でながめて飢え死にしてろとしか言えない。暴君や独裁者に向かって恐れず戦う存在を、全面支援できないやつは、結局いつまでも、最後まで、何もできないままです。
そういう存在に不安や不満があるとしても、それと匹敵できるだけの決意や自信を自分の中に常にしっかり持っていなくてどうするよ。臆病者の、怠け者が。