1. TOP
  2. 岬のたき火
  3. 日記
  4. 祖母の日記4

祖母の日記4

※憲法26条を変えようという会議が始まった様で、重苦しい気分になって居ます。
気晴らしにまた、祖母の日記を読んで居ます。

老人は孫が何より可愛いと言うし、実際に祖母は私を可愛がってくれましたけれど、日記を読んでも私の事は滅多に出て来ません。祖母の毎日はとても忙しく孫の事等はごく一部に過ぎなかったのでしょう。

此の年(一九六〇年)の夏は日照りで大変だった様です。それも一段落した十月の初めの日記です。

(10月1日)「かねて丸吉のふとん会には入ってゝ、半分の五千円丈け払ひ込んだが光子さんが附添ってハッタンの立つぱなふとん一組、(かけ二枚、敷一枚)届けて貰らった。
是で来客があっても一安心。

午后は祖父と畑の草取りをした。この草ってば大したもの、この位作物が出来れば百姓が全国で一番金持になるだろう。
昔の人も夏草やと歌ってるやうに、いつの世にも盛んにできたのだろう。これ位出来れば人は働かずして生きて行かれると畑に出る度に思ふ。」

母家を片付けた時、二階の押入れに古い立派な布団が幾つも有ったのですが、祖母が書いて居るのはそのどれなのでしょう。其の儘今も使って居るのもあれば、「良い綿ですね」と布団屋さんに誉められながら作り直して炬燵布団にした物も有りますけれど。犬が汚した一枚以外は確か処分した布団は無い筈で、こういう日記を読むと、其れが少し嬉しいです。

「祖父」と書いて居るのは「おじいさん」と言う事で私の祖父、祖母の夫ですね。それにしても「草が作物なら」等と考える祖母の発想も、なかなか普通ではない。読んで居る内に次第に只者ではない気がして来ました。(笑)

※今夜から明日の朝にかけては久し振りの雨の様ですが、今の所はまだ降って居ません。

Twitter Facebook
カツジ猫