素敵な日曜日
…と言いつつ、日付が変わりそうだけどね(笑)。
おばあさん猫のグレイスは、少し調子がよくなったのか、自分でエサを食べはじめた。口内炎の痛み止めの薬が効いているのかな。まあ、そのうちに副作用も出るだろうし、回復するということはもうないだろうが、まだ歩けるしベッドに飛び上がれるし、顔つきも目つきもしっかりしていて、死ぬ気には見えない。
何つーか、まだ目が丸いんだよね。これまで何匹も飼い猫の死に立ち会って来たけど、皆わりと死ぬ前には、目がキツネっぽくつりあがって、顔つきが変わって来る。その気配がないし、動きやしぐさもしっかりしている。
望みがないのはわかっているのに、いつ死ぬのかがわからない。容態が急変するかもしれないけど、いつまでもつかは見当もつかない。東京オリンピックみたいなやつだ、と行きつけのお店で言ったら爆笑された。
今夜はずっと私が居間で片づけしごとをする間、くっついてこたつで寝ていた。また明日もせいぜい、つきあってやるか。
岩波の「図書」を読んでいたら、ハンセン病文学のことが書いてあった。「いのちの初夜」や「白描」のような古典的な作品と異なり、今はもっと戦う姿勢の文学が生まれていると書かれていた。
私は「いのちの初夜」は読んだが、「白描」は読んでない。ただ、書名に覚えがあるのは、子どものころ、二階の座敷の床の間で、買ってもらった新しい本や、叔父の置いて行ったいろんな本を、ごっちゃにして読んでいたころ、白っぽい表紙の小さい歌集があって、ハンセン病の作者のものとは知らず、そのままにしていた。ずっとあとになって大西巨人の「神聖喜劇」の中でとり上げられていたので、あああの本かと思い出した。
別に歌集だから読まなかったのではない。それより多分「白猫」という題だと思って、読んでみたらちがったので、そのままにしたような気がする。そんな、しょうもないことを思い出したりしている。
海外ドラマ「グッドファイト」は、なかなかすごい。トランプの時代はこうだったのかとつくづく思う。アホが実権を握り、皆が萎縮する。これをリアルタイムで作ったリドリー・スコットをはじめとしたスタッフもすごいが、見る方もたまらなかったろうなあ。タフというしかない。
それにしてもリドリーは、いやらしい人物を描かせたらもうたまらんほど、うまいなあ。
同じ海外ドラマ「インスティンクト」の主役の教授は、現実の役者もゲイだが、作中の設定でもパートナーは男性で結婚していて、キスもラブシーンも痴話喧嘩も普通にしている。「グッドファイト」の主役の一人の若い女性弁護士もこれまた普通にパートナーの女性と暮らしていて、ラブシーンもベッドシーンもある。どっちのドラマの中でも、それは全然特別なことじゃない。120%いい意味で、すごい時代になったものだ。この現状に、文句なしにほれぼれする。