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私の連休の計画のもうひとつは、そこそこきれいになってきたかもしれない奥庭の花の中で、日に照らされて連日読書をしたいということで、私にとってこれはリヴィエラのホテル(知らんけど)に行ってると同じぐらいの豪遊って感じなのだ。でも、そんな時間がとれるかなあと、ひやひやしてる。
それにしても、その奥庭のバラとユリがすごいことになりそうで、最初に開いた黄色いバラのしげみなんか、摘んでも摘んでも次々に咲く。赤やピンクのバラもいっぱいつぼみがついている。
大きな花びんはそこそこあるが、短く切った花を飾る器がなかなかない。新しく買ってものを増やすのもいやだし、思い出して庭に半分捨てるようにおいていた、いろんな入れ物を拾って来て、泥を落として花びんに活用することにした。冷遇していたからふちが欠けたり、ひびが入ったりしているが、それがかえって、いい味だったりするもんねー。
鈍感なアホと凶暴なアホと、どっちがましかと言われたら、映画「ソフィーの選択」の逆バージョンで、どっちも絶対選びたくないものの、日本の博物館や人間が貧困にあえいでるのに、世界をかけまわってしゃもじだの大金だのをばらまいている現首相を見ていたら、「アベの方がまし」と言う人が、いわゆるリベラル派の中にもちらちら出てくるのは無理ないかもしれない。でも、それは絶対にちがうね。岸田首相のゆるんだ顔を見ていると絶望的な気分になるけど、アベ元首相には、鈍いくせに変な信念や執念がギラギラした刃物のように、いつもかいまみえて、それが実に無気味だった。どう考えても、何もわかってないし考えてない現首相の方は、ひとつまちがえるとたしかに、ものすごい危険な役割を果たすだろうが、あの狂気のような執念が感じられないのはせめてもだ。だからって慰めになるもんでもないが。きっといわゆるネトウヨっぽい人たちの中でも、私とまったく裏返しに、こういう好みの差はあるんだろうな。
こちらは立派な人の話。つけっぱなしのラジオを半分寝ながら聞いてたら、中村哲さんの思い出が語られていて、「人間どうしだけではなく、人間と自然も和解しなければいけない」と言われていたということを知った。自然を守るとか共存するとかじゃなく、人格を持った存在として、奪うだけではなく、和解して行かなければ、結局資源の取り合いとかで人間間の争いもやまないだろうという趣旨。胸にしみ、心に落ちる。