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腐っても鯛

言っちゃ何だが私は天皇制にも君主制にも反対で、なくなったらいいと思っている。「むなかた九条の会」の代表になったりしながらも、昔から日本国憲法があんまり好きではなかったのは、天皇制を認めているからで、そこがどうしても魅力を感じられなかった。

ただ、そうは言っても幸か不幸か困ったことか知らないが、今の皇室の人たちの発言や行動や身の処し方は、それこそ、戦後民主主義と象徴としての天皇制と、平和憲法の精神を完璧に守った立派でみごとなもので、ここしばらくの自公政権とその界隈に比較するのも失礼なぐらい、ほとんど気高いものに感じている。だから皇室の人たちはすべて好きで、だからこそむしろ、こんな制度は廃止してあげた方が、ずっといいとも思うのだ。

今の政権にとって、皇室の存在はとても不快で困ったものだろうし、だからこそいつどんな攻撃をかけて来るやら、知れたものではないと気にしてしまう。

とは言え、その自公政権にも東京都の状況にもきちんと向き合う気がないらしいメディアが、さすがに大谷報道にもネタがつきて来たのか(これもくり返すが、私は別に大谷選手はまったく嫌いではないが、ワイドショーが、彼の通訳の裁判を微に入り細に入り、国会中継も被災地もほったらかして毎日克明に報道し、ついには、かの通訳さんが懲役刑になって収監されるかのしれないときの刑務所について、かつて収監されていた犯罪者にインタビューしているのを見たときは、苦すぎる笑いがこみあげて、以後は大谷報道は一切見ないことにしてしまった)、このごろは皇室のイベントを、これまた細々うっとり報道しまくっているのを見ると、やっぱり正気の沙汰とも思えない。これはこれで、危機感と終末感をひしひしと感じる。

その中で、最近劣化したとたたかれている「報道ステーション」が、英国での天皇夫妻の晩餐会の模様を報道したとき、日英の戦争の歴史にもきちんと触れ、天皇へのガーター勲章が一時剥奪されたこと、戦後の日本の新しい流れの中で、再び両国の関係が改善して今日に至ることを、明確にふりかえって説明したことは、さすがに腐っても鯛と思わせた。

日英の関係の深さ、強い結合が、戦後の平和憲法の遵守と民主主義なくしては復活も再建もあり得なかったこと、そこには特に今の上皇夫妻にはじまる、ゆらぎない誠実で聡明な姿勢と見識があったからこそ可能だったことが、きちんと示されていたのは本当に救いだ。過去も歴史もほったらかして、妙に日本が世界に好かれてると思い込むような報道ばかりの中で、「報道ステーション」は、最低の情報はきっちり伝えてくれていた。

まあ、そういう、いろいろはあるが、さしあたり報道をチラ見しながら、私がぼやっと考えていたのは、英国王室に暖かく迎えられ、かつての留学体験をなつかしんでいる天皇皇后を見ていて、ああ、こういう、うしろめたいことや怪しいことのまったくない、誰からも公然と祝福されて、後ろ暗いところの微塵もない青春時代をかみしめられる二人は、どんなに幸福だろうかということだった。私のような天皇制嫌いの人間(だからこそでもあるが)でもわかる重圧や理不尽や孤独にどれだけ苦しみ耐えて来たとしても、この二人には、胸をはって生きて来た思い出があり誰にもはばからないですむ過去がある。その真実と誠実で固めた道の上を今後もまっすぐ歩いて行ける迷いのなさがある。

それに比べて、メディアはまったく報道しないが、学歴を初め、基本的な偽りや欺瞞の上に人生を築いてきたとしか見えない、東京都知事のみじめさと醜さと不幸さはどうだ。多分もう自分でもそれには気づかないぐらい、虚飾で塗り固めた人生は、これから向かう方向など、何の希望も充実もありようがない。

彼女が流した害毒は首都や国全体を腐らせた点で、この遠方に住む私にさえ、何らかの被害を及ぼすほどのすさまじさで、迷惑この上ない怒りもあるが、それ以上に不本意ながら、私が感じるのは哀れさと気の毒さだ。何という人生を織りなして来たのか、他にどうかしようはなかったのかと、つい考えてしまう。いや、こんな同情を私がすること自体、ライオンの口の中の虫歯を気の毒がっている、食べられる直前のウサギのような身の程知らずなんだろうけど。

さて、話変わって夏の予定から逆算すると、今日明日で、上の家をきれいにしてしまわないと、どうにもこうにも、仕事の予定が立ちそうにない。
 で、ついつい、上の家の居間の押し入れを、ミニ博物館みたいなクローゼットもどきにきれいにする(と言ったって、誰にも何のことかわからんよね~)ことをめざして、それは案外うまく行きかけているのだけれど、そのために押し入れから引きずり出した荷物が床を埋めつくして、もうどこからどうしていいのかわからない。あはは。

ね、押し入れはまあまあの出来なんですよ。
 でも、へや全体は、このありさま。

まあ多分、手紙と書類の処理をとにかくしまくれば、先は見えてくるのだということはわかってはいるのだけど、それがどうもこうも、遅々として進まない。まあ、明日と週末が勝負だろうな。来週はもう庭の片づけに取りかからないと予定としては、かなり厳しい。そして体力がどうなのかは、朝起きてみないとまったく見当がつかないと来ている(笑)。

とにかく無理はしないで、流れにまかせるとしよう。適当に気晴らしと息抜きをしながら。ご近所や地域の方から、じゃがいもやらなすびやらピーマンやらをどっさりいただいたので、食料には不自由しないのよね。コンビーフも半分残ってたから、ピーマンと玉ねぎまぜて、焼き飯でも作っちゃおうかしら。

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カツジ猫