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花たちはけなげ。

◇8日の月曜日に買った、ユリとクルクマとオレンジ色の鶏頭は、この猛暑の中、わりとエアコンをつけているせいかもしれないが、今もまったくしゃんとして、色あせも枯れもしおれもしていない。立派だなあ。毎日見ててうれしくなる。

と思っていたら、昨日猛暑の中、田舎に帰り、ラッシュに若干ひっかかって、真っ昼間に墓についた。しゃあないから水をかけて墓を洗ってたら、石が熱くなっていて、ぬらした水もたちまち熱湯、ジーンズのひざについたら、熱っ!と飛び上がりそうな、この世のものとも思えない状態だった。最近ヘアバンドを愛用していて、帽子をかぶらないのだが、いくら何でもこりゃやばいと、車の物入れの奥からしわくちゃの布のつば広帽子を引っぱり出して、かぶっていたが、それでもときどき死ぬかと思った。

で、ずっと来ていないし、花は当然枯れてると思っていたのに、花活けの底のわずかな水につかって、赤紫の菊が葉も青々と元気に咲いていて驚いた。ろうそくたてにろうそくの燃え跡があったから誰かがお参りしてくれたんだろうか。それはそれでうれしいが。あまりに前過ぎて覚えていないが、多分私が供えたのはほおずきとスターチスだったような気がするし。そのほおずきは、すかすかの残骸が遠くに転がっていたし、やっぱりあれは誰かが供えてくれた菊だろう。それにしても、この熱波の中で数日でももったのはすごい。

もう朝から皆がお参りに来たのか、どの墓にも新しい花があった。私もまたスターチスと、すすきみたいな大きなパンパスグラスと、ちっちゃい鶏頭とハスを飾った。風にパンパスが、しっぽみたいにゆれて悪くなかった。変わったものが好きな祖父はきっと喜ぶだろう。

菊は捨てるのもしのびなくて、ぬれた雑巾に包んで持って帰った。先日、こちらの上の家でがらくたの中から見つけた、古い汚れたミルクポットが花入れによさそうな気がして、下の家に持って来ていたのに、その菊を短く切って入れた。ちゃんと菊の香りもして、まだ元気である。カツジ猫がさっそく匂いをかいでみていた。

◇カツジ猫と言えば、最近わりとよくかみつくようになった。何が不満か単につけあがってるのかわからない。ゆうべも遅く庭から帰ってきて、ベッドに来たからなでたら、いきなり手にかみついた。私も疲れて虫のいどころが悪かったので、思わずベッドから蹴落として、出て行けとどなったら、即逃げ出さないで台所をうろうろしていたのは、家の中にいたかったのだろうが、私が追っかけて行って、出て行けともう一度どなったら、外に飛び出して行った。

今朝、寝ている私にくっついて来たが、背中を向けて無視したら、足元で丸くなっていた。その後もずっと目を合わせてやらなかったら、今はまたベッドで眠っている。
こいつの性格から言って、多分めちゃくちゃ傷ついているのだろうと察しがつくが、私も何かもういろいろ最近我慢の限界で、意地悪な気分が抑えられない。

◇「永い言い訳」と「帰って来たヒトラー」をたてつづけに読んでしまった。「永い言い訳」は、これまたなかなかよくできていて楽しめた。ヒロシマの原爆にあった通信部隊の小説を書いた人だったのだな。
「帰って来たヒトラー」は、これまたいろいろ抜群に面白かった。あってはならないことが次々実現していくさまが、民主主義の(それが長所でもある)弱点、大衆の弱点、その他もろもろ、ため息がでたし、中身のない攻撃的なアピール、その場しのぎの受けのいいせりふ、などなど、日本の首相や大阪市長などの力を得てきた過程とも重なり過ぎて、寒々としつつ笑えなかったが、だからこそ面白すぎた。

◇シールズがもうすぐ解散する。私は彼らの活動や、その前後の市民運動を見るたびに、自分がこれまで体験したことのない新しい風が初めて吹き、新しい風景を初めて見たと思って来た。時間があったらまた書くが、その力と未来は限りなく大きい。それを宇都宮さんもだが朝日新聞などもどうやら感じていないのは、むしろ不思議な気がしてならない。

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カツジ猫