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芸能ニュースもどき

筒井康隆の短編に「問題外科」というブラック&スプラッタホラーみたいな話がある。アホな若い外科医たちが、麻酔をかけた看護婦を生きながら解剖して臓器を皆とりだして、おもちゃにして殺してしまうという、まあけっこうなお話だ。その内発禁処分になるのじゃなかろか。

意識をとりもどした看護婦が、自分が麻酔をかけられて、身体から腸やなんかを引きずり出されているのに気づいて、あたりまえだが半狂乱になって絶望する場面がある。

このところ、たとえばインドア派キャンパーさんをはじめとしたいろんな方たちが紹介する、国会中継や首相周辺のニュースを見ていて、その看護婦の、その時の気持ちを味わっている。意識があるまま、いろんなものが破壊され解体され臓器が引きずり出され、騒々しい下品な笑いの中で、息の根をとめられて行くのを、予測しつつ実感している。

話は変わって。
このホームページ「いたさかランド」がどのくらい認知されてるか見ようとして、googleの検索などをしていると、とっくに亡くなった叔父の板坂元が何かに書いた書評などが、板坂つながりで出て来たりする。哲学者バートランド・ラッセルの伝記を紹介しているのを、つい読んでいたら、ラッセル(クロウではない。笑)は時と場合では大変感情的で、家族を守るために新聞記者たちに暴力をふるったこともあるらしい。

そういえぱ、妻ドーラを伴なって中国から日本に着いたとき、新聞記者のカメラのフラッシュに目が眩んで、ドーラがつまづきそうになった際、彼女が妊娠中であったせいでもあるが、ラッセルは、彼らを怒りの余り殺したくなったと書いている。大声で怒鳴ってステッキを振り廻して妻を守ろうとするラッセルの姿は冷静とか理性とは程遠い。それだけにラッセルの人間味がにじみ出ていると云えようか。

それってまるで、子どもの幼稚園の入学式か何かで、強引な取材をしたマスコミに怒り猛った三浦友和・百恵夫妻そのものだなあと変に感心した。三浦夫妻とラッセルと、どちらにより感心したかは自分でもよくわからないが。

芸能ニュースついでの伝記ついでに言うと、先日テレビで、由紀さおりの歌手としての人生を特集していた。その内容も面白かったのだが、ときどきつい口ずさんでしまう「ルームライト」が紹介されていて、あの歌の中の男女はどういう関係なのだろうと誰かが推測していたのを思い出した。

その人は二人が不倫関係にあるのじゃないかと想像していたような気がするのだが、私は何となく婚約中のわりと幸福なカップルのように、いつも感じてしまう。忙しさの中でふと生まれる倦怠感やすれちがい感も、悪い予想にはつながらないで、こういうかすかな不安を抱えたまま、やはり幸せに二人は生きて行くような気がする。多分、私がこの二人のどちらかなら、悪くないという感じだ。こういう恋ならしてもいい。
そう思わせるのは曲のせいか歌詞のせいか声のせいか、その全部なんだろうか。

今日は本当に久しぶりに街に出て、デパートで買い物をした。さすがに大きなデパートだと、ちょっと歩いただけで、いろいろうまそうなものに行き当たるから、何もかも買いそうになってヤバい。
ご飯に入れて焚いたら、アサリ飯ができるという、アサリの干物みたいなのを、佐賀県から来たおじさんが売っていて、思わず一袋買ってしまった。大根と煮てもうまいそうだ。明日、作ってみようかしらん。

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カツジ猫