えらいっ!
今日の毎日新聞の夕刊、特集ワイドで、首相の改憲論を「珍説」とばっさり。「薄っぺら」と大見出し。「えらいっ!」と思わず声に出してしまった。テレビも他紙も、このくらいきちんとはっきり言えよ、書けよ。だってもう、そうとしか言いようのない話なんだからさあ。
中身もきっちり充実していて、そりゃそうだ、首相の答弁とちがって、本当のことを書くと自然と筋は通るし内容も豊かになる。事実を普通に述べるだけで、自然に説得力が生まれる。記者だってアナウンサーだって、そういうことをそういう風に書きたいだろうしゃべりたいだろう。
先日の「むなかた九条の会」でも話題になったのだが、首相の改憲は徴兵制への道を開くことも指摘し、元自衛隊の空将補や司馬遼太郎の防衛大での講演を引いて、自衛隊は「無用の長物」でいることが誇りなのだ、と、おおかたの国民が実感しているだろうことを、きちんとことばにしてくれた。
そう言えば私も授業で、江戸時代は、人殺しが仕事の侍が、人殺しをしない公務員になって、刀を差しているけど抜かないまま、ほぼ三百年をすごしたという、自衛隊みたいな時代だと話すのだよな。
今日は若い元気なお客さんが来て、こちらもパワーをもらったようで楽しかった。夕方に彼女は帰ったので、そのまま映画「グリーンブック」を見に行った。映画の間も、彼女としゃべった話をいろいろ思い出して、声を出さずに笑っていた。
映画も悪くなかったが、疲れてたのか最初ちょっと寝たので、感想はDVDを見てからにするか。
前半はいろんな点で、主人公二人の間の不協和音や黒人差別の激しい南部の状況とかのいろいろが、ひと口に言ってひどくグロテスクな印象を受けた。二人が車を走らせるアメリカの地方の風景がとても美しく、その中で普通に存在する差別の醜さ、おぞましさがそれだけ強烈だったからでもある。ラストに向かって予定調和的になりながら、なお予断を許さない不穏な空気が最後まで緊張感を保った。
帰ったらカツジ猫が、金網の向こうで庭にお迎えに出ていた。昨日から枕の上が飽きたのか、クローゼットに重ねた毛布の上で寝るようになって、しめしめと思っていたら、今度はお客さん用に椅子に置いた敷物の感触がお気に召したようで、私が食事や仕事をする椅子の上に丸くなって、てこでも動かない。抱いて隣の椅子に移しておいても、しばらくしたら、磁石のようにまたもとの椅子に戻っている。くわー、どうしてくれようか。