蝶も蚊も
今年は何だか蚊が少ないと思っていて、でもご近所の方の話では今年は蚊は多いそうですよという話だし、もしや年をとったら皮膚感覚が鈍くなってて、刺されても気がつかないのかしらんと思ったりしていた。そうしたら、やっぱり最近ちゃんと蚊は増えて来て、朝早かったり逆に寝坊して遅いと暑くなりすぎて蚊も少なかったりする。遅く起きたときは、それをせめて慰めにする何かと前向きすぎな私(笑)。
ちょっと不思議なのは、この暑いのに庭にはそこそこ蝶が多く来ている。それもクロアゲハやコノハチョウやモンシロチョウやモンキチョウや、ありとあらゆる種類のが毎日いくつかふらふら~っと飛び回っている。あまりおなじみになるほど顔は見せない。いろんなのが毎日入れ替わる。そんなに花もないのになあ。目の保養にはなるし、うれしいんだけどさ。セミは相変わらず朝から鳴きまくっているが、なぜか木の上の方にいるのか、とんと姿が見えない。
それにしても猛暑だ。夏は毎年、車に乗るとき、蒸し風呂のような中に入るのがいやでしかたがなかったのだが、このごろはあまりそんなこともない。けっこう気持ちよく乗り込める。なぜかと思っていたら、何のことはない、車中も車外も同じぐらい暑くなっているのだった。恐ろしい。
高市首相の熊本訪問は、あまりニュースも伝わって来ないので、どうしたのかしら、そもそも行ったのかしらと、けげんに思っていた。さぞかし宣伝しまくるのだろう、外遊のたびにあれだけいろんなアピールをして見せるのだからとうんざりしながら、しかし、どうやってカッコいい映像を作るのだろう、何だか想像できないんだけどとも思ったりしていた。
そうしたら、思った以上にかいなでの、見てくれの、気のないイベントで、ちらと見ただけでもつらかった。飛行機の上から手を合わせるパフォーマンスも評判が悪く、現地でも避難所訪問の時間は超短く、ひどい状況のところはスルーして、SNSの情報では、五人の選ばれた被災者の方は、それなりに選ばれた人(自民党関係の人ばかりだったって話も)で、それはもう、ことばを失った。
私は野球ファンのファンサイトでこの話を見たのだが、批判コメントもついてるけど、「また左翼がいちゃもんつけて」みたいな内容ばっかりで、事実無根だでっち上げだという反論はないのが、やっぱり嘘でもないのかしらと思ってしまう。官邸はこれを音楽付きのプロモーションビデオにしたとか言うんだけど、あらゆる点で、情けなくて悲しい。
唐突だが、多分ソルジェニーツィンの何かの本だと思うけど、ソ連のスターリン時代、こういうお仕着せの訪問がよくあって、作家のゴーリキーがどこかの施設を訪れたとき、ある少年が実態を告白したもんだから、ゴーリキーはその後のことは知らなかったんだけど、少年は粛清されたか何だかだったって話を思い出してしまった。国家のすることって、まちがいはじめると、もうとまらないんだよなあ。それも思い出して、やるせなく、腹立たしい。
何だかうっとうしく朝ドラを見ていたら、ヒロインのりんさんの勤務先の村で赤痢が発生、元同僚の地元の医師とともに看護婦として健闘する。もう一人のヒロインの直美さんも、応援にかけつけて来て、二人で中心になってがんばる。
当時の医療や村の状況とかも伝わって来て面白いのだが、いつもながらりんの娘のたまきちゃんが、ほんと便利で都合よく使われているのが、やっぱり気になる。直美さんを「もう一人の母」として、実家に残して単身赴任しているりんさんとたまきちゃんのことについては前にも書いた。今回は直美さんはあっさりと「たまきちゃんはシマケンさんに預けてきた。まかせてくれって言ってた」とか言うのだが、いいのかそれで。シマケンさんは、たしかにりんを愛して親しく出入りしている若者だけど、まだ結局は赤の他人だろ。それにまかせて平気で安心していられる二人のヒロインにとって、たまきちゃんって何なんだ。
私が気難しすぎるのかもしれないけど、幼い一人娘を母のもとに残して単身赴任するにあたり、「私がもう一人の母になる」とまで言って、留守の間の世話を引き受けたんだろ直美さんは。そもそもそんな代理母にそう簡単になれるもんじゃないと私は思うが、まありんがそれを信じたとして、どういう関係性かもあいまいな他人の男に、頼まれた友人の娘を無断で預けて友人の加勢にかけつけるなんて、この人たちの優先順位というか義務感というかが、私にはさっぱりわからん。私だったら、娘どころかペットでも鉢植えでも留守中世話を引き受けた人が、断りもなく別人に自分の判断でその世話を押しつけた時点で、もうその人とは絶交するし、二度と大切なものを託そうとは思わない。そういうところが、気になって、肝心の話がなかなか頭に入らないんだよね。
写真は雑草の中からそれでも咲いてくれる小さなバラ。
