見よう見よう見よう。
◇ゆうべはちゃんと、ぐっすり寝ました。ぐっすり寝すぎて、朝10時から共産党の市会議員候補の植木さんの出陣式があったのを、10時半とまちがえていたのもあって、遅れて飛んで行きました。ここ、事務所びらきの時もやたらとお天気で暑かったのですが、今朝も雨が上がったのはいいけど、お天気よすぎて暑かった。けっこう人は集まっていて、民族派を名乗る(笑)九条の会の仲間が応援演説をしていました。共産党、民進党、生活者ネットなど、戦争法廃止をめざす市民の会でいっしょに活動した市議候補たちのところはどうだったのか、気になるんですが、当然出陣式は皆同じ時間なので、わかりません。
その後、もし時間があえばと、ふらりとイオンモールに行ったら、見たかった映画「怒り」が何と11時30分で五分後に開始。すわとばかりに飛びこみました。いやー、聞きしにまさる出来でした。皆さん、だまされたと思ってぜひ見て下さい。以下、めちゃくちゃミーハーな感想を箇条書き。
殺人犯が整形して逃亡してて、それらしい三人の男が沖縄と東京と千葉にあらわれて、それぞれいろんな人の家庭に入りこんで、果たして真犯人はどの人かって話なんですが、あらためて、最近の俳優さんか日本人男性か、この手の似た顔が多いよなあそう言えば、とその三人を見ていて感心。もう一人香川照之を加えてもいいわ、あの感じなら(笑)。
(ネタばれ)昔の映画って、性犯罪を告発する良心的なものでも、その場面は何かものすごくいやらしくて「劣情を刺激する」みたいな作り方をするのが、私ほとほといやだったんですが、最近はそうでもないみたいで、特にこの映画の被害者の絶叫や悲鳴はそんなわいせつなものをまったく寄せつけない、激しい怒りと強さだけに充ち溢れていて、ああ映画も文化もここまで来たかと、見てて救われる思いがしました(本当にトシが知れるわ)。
(ネタばれ)最後に真実を知る妻夫木聡の優馬が味わう、多分最高の喜び、それがそのまま最高の苦しみになるのが、よくわかって祝福と同情とどっちもしたくなる。だって私、墓に猫や親戚の骨がないとき、使ってたものを代わりに入れてなぐさめにしたりしてたけど、そういうものを全部自分で処分してたら、そりゃかなわんわもう。
ネットの感想で、「渡辺謙はアメリカに行ってエリートになって手の届かない大俳優になったかと思っていたのに、まったく漁港のおやじさんになってた」と感動してる人がいて笑った。
最後に山ほど出る協賛団体の中に「ヘリパッド建設に反対する会」というのが見えたときは、なつかしくて、うれしかったよ。それに限らず、沖縄の風景や人々の姿が、妙になつかしかった。
(ネタばれもネタばれ)最後の広瀬すずの泉が、これからどうするかは筋から言っても設定から言っても、もうわかりきってるぐらい一つしかないと思ってしまうんですが、だって彼は彼女が「私それほど強くないから」と公開しなかった秘密を、絶対に守るから犯行動機もわからないままに裁かれようとしてるんですよ。彼女は強くなるしかないし、あの目も声も、そこに向かっている。(でももちろん、そうした先にはまた別の対決すべき地獄が待ちかまえているだろうけど。)でも、ベタな映画なら、そこまで描くのを、そうしないから、「救いがない」と感じる人も多いんでしょうが、まあそれはそれでいい。その方がいい。
華やかな東京と素朴な千葉や沖縄のバランスが、ものすごくいい。犯人かもしれない三人が、皆、目立たない草食系で、優馬のめりはりきいたきれいさや、辰哉のほわんとした素朴さが、それを浮き立たせる。他にもいろいろ、本当にメリハリがきいて、テンポがいい。地味だけど、警察陣もいい味出してる。
映画の中盤から後半にかけて、もう頼むから三人の誰もが犯人じゃないといいのに!と切に願いました。こんな制作者の意図にはまりまくった感想を抱いたのは、我ながら素直すぎて自分が恐ろしいです(笑)。
俳優が全員、骨惜しみなしの全力投球で、それがひとつも空回りしてなくて、その使った力の全部が観客を真正面から直撃してくるのが、無駄がなくて快いったらもう。
とにかく見て損はないです。見よう!
◇あーまだまだいろんなニュースがあるけど、とりあえず、ここまで。
そうだ、阿蘇山の噴火は、もうこれ以上の被害が出ないよう切に祈りますが、四国の香川とかまで灰がふったということは、玄海原発に何かあったら、放射性物質もそこまで飛ぶってことですよね。それと、まさかこのニュースにかまけて、白紙委任状のことを流してしまおうとか、テレビは思ってないでしょうね。特にNHKは。