逆マイダス王
このうすら寒さは、いつまで続くんだろうなあ。
服もふとんも、冬物はあらかたクリーニングに出しちゃったので、しまったと思っていたら、今年は着そびれたと思った、超薄いけど暖かい、緑の毛糸のセーターが見つかった。襟首が大きく開いていて、その代わりネックウォーマーみたいなのがついてる。普通はTシャツかセーターの上に着るのだが、これをのど元を開けたまま着て、パールのネックレスをつけて初授業に出かけた。
かなりぶかぶかなので、やせてる時はいいのだが、今みたいに肥っていると、逆にものすごくしまりがなくて、鮮度の落ちたピーマンみたいに見える。叔母のワンピースをいろんな人にさしあげた時に、うっかり残ってしまった共布のベルトがわんさかあって、バックルなんかものすごい上等なので、それでウェストをしぼってみたら案外いい。結局それをつけて行った。他にもきれいなベルトはあるが、叔母は細身だったから、きつくて使えないのもあるので、それはいつも行くリフォームの店で少しのばしてもらおうと思う。
授業のあと、久しぶりになじみのコーヒー店に寄ったら、マスター夫妻が「令和をどう思われますか」と聞いてこられた。「あらー、私はわりと好き」と言ったら、ええーというような顔をされた。どうやら私はテレビを見ないので知らなかったが、ほんとに首相が自分が作ったように大騒ぎしまくったらしい。もういいかげんうんざりですみたいな感じだった。ほらね、あのバカのおかげで、こうしてせっかくの年号が皆に嫌われるようになるんだわ。
今でこそ私は共産党が好きとか憲法九条を守ろうとか、人前で言って回っているが、昔はそんなの絶対口に出せなかった。迫害されるとか村八分になるとか、そんなのが恐かったんじゃない。私のようなのが、好きとか支持するとか言ったら、「あんな人がほめてるのか」と、共産党や憲法の評判が悪くなりはしないかと、心配だったからである。
作家の田辺聖子さんが、いつか何かで、選挙の応援演説とか応援メッセージとか頼まれても、自分のようなのが名前出したらかえって逆効果じゃないかと心配で引き受ける気になれないと書いておられたが、その気分はもうすごくよくわかる。
私のようなのが、好きとか言ったら、言われた方の価値が下がるんじゃないか笑いものになるんじゃないかと、いつも思っていた。
少なくとも、私を嫌いな人は、私が好きだというだけで、絶対にその対象を嫌いになるだろうと思うと、それはどうしても困ると思った。
あの首相には、そんな感覚ないんかい。おまえが自分の人気取りに利用しようとするだけで、いろんなものが汚されて嫌われて行くんだってことを、ちったあ思い知れよもうまったく。マイダス王が触れたものは金になったと言うが、その逆じゃないか。
ところで、令和と言えば(ちなみに私のパソコンはまだ学習していないのか、「れいわ」と打ってもこの文字はまるで候補に出て来ない。世間に背を向けているようで、ちょっとかわいらしい)、新聞も全然とりあげないので知らなかったが、令和新選組とかいう政党ができるとか何とかいう話で、TOKYO DEMOCRACYさん(毎回きちっとした、とてもいい見解を示すところで、大変参考になる)などが強く批判している。特に関わっている山本太郎議員に疑問を感じているようだ。
…とか言ってたら、次々いろんな重要な情報が増えて、その話はずーっと下に行っちゃってますが、まあそこまでのいろんな記事も、全部とても参考になるので、ぜひ読んで下さい。とりあえず「政治知新」とかいう発信元は、ろくなもんではないようです。