達成感がほしいのよ

あんまり日夜いろんなことに向かって、あれこれ手を出しているものだから、くたくたになるまで働いても周囲は見たとこ何も変わっていない。まあそんなのは、これまでの人生ずっと政治活動やら社会活動やらを、ちょこちょこやってきた体験からもなれっこではあるのだが、それにしても、あんまり何も目に見えた効果がないと、めげるというより自分が何をしているのかわからなくなる。

小説を書いて自費出版するのは、まあ幻想ではあっても、たしかにやりとげたとか、あとひと息とかいう感じで生活にめりはりがあった。時間は大幅に取られたが、それだけに、大木のような安定感があった。
　今はちょっと、それが小休止というか、あまりのめりこんだら底なし沼だと自粛してるから、その分、これといった大仕事がない。もちろん、家の片づけ、断捨離という大事業はあるのだが、途方もなさすぎて、先が見えない。蟻の穴から堤が崩れるというが、蟻の穴さえ、なかなか開かない。

今のところ、一番緊急の課題は、虫に食われた数枚のカシミアっぽい上等のセーターのつくろいなんだよね。普通の人なら即、捨てるんだろうが、夜、寝間着の下に着ると首周りとか天国のようにあったかいんですよ。でも、うっかりそれで庭や玄関に出たら、穴だらけのセーターをまとった変なおばあさんにしか見えないから、もう色違いでもぐちゃぐちゃでも、派手な毛糸で穴をふせて置こうと思い立ったのが、さー、あれ何ヶ月前だあ？

一応セーターは三枚なんだけど、私はこんな仕事したことは自慢じゃないが生まれてただの一度もなく、それはどーでもいいんだけど、何しろじっくり見たら、三枚とも穴の量がはんぱじゃない。もうね、セーターに穴があるのか、穴の中にセーターがあるのか、わからないようなレベル。

しょーもないテレビ番組とかラジオ番組とかあるから、それ聞きながらやってたら、数晩で終わるとふんでいたのに、これがちっとも進まない。猫はかまってくれとまつわりつくし、読み飛ばし用の本の先は気になるし、プロ野球はゆうべも西武とソフトバンクが何だかとてつもない試合をしてるし（山川選手が、グランドスラムを二つ連続で打った）、そもそも疲れて寝てしまうし、だんだん暖かくはなるし、いったいぜんたい、どうしてくれよう。

そしてイランがイスラエルにミサイルを打ったとか。少し前にイスラエルが基地かどこかを攻撃して死傷者を出した報復だとか。
　もう、そういう言い方まちがってるのはわかるけど、イスラエルの人たちだって、まとめて言われたくはないだろうけど、第二次世界大戦で世界か歴史か神さまが、ユダヤ人に対して作った借金が、そろそろ使い果たされようとしてるような気がしてしかたがないのよね、この前からずっと。ネタニヤフと岸田とプーチンとトランプの言うこと聞いてると、こんなに人を脱力させるパターンのしゃべりって、何通りもタイプがあるのかと、つまらんことに感心する。

庭のフリージアがそろそろ終わりかけてるので、道にはみだして踏みそうになる分だけ、切ってきて花びんにさした。でもあまり匂いがしない。ちょっとものたりない。