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釣鐘草

◎五月の初めにスーパーで、安い花束を買って来て、壁の花びんにさしていたのですが、一度水が少なくなって、釣鐘草の一本がくしゅんとしおれて、花もしわしわになっていました。

もうだめかなと思いつつ、水を補充しておいたところが、下の方の花からだんだんもち直して、花もまたしゃんとして色つやもよくなり、最後まで黒ずんでいた一番先端の花も、今日はみごとに、ほぼ元に戻っていました。水さえあれば、ここまで花は復活できるものなのか。大変な復元力です。

◎日曜にテレビを見ていたら、櫻井よしこ氏が司会をして、憲法問題を面白おかしく議論していました。
例によって、櫻井氏が「あれは押しつけられたもので、日本人の意見がまったく入っていない」と力説すると、一人が「当時の記録を読むと相当に日本人もたずさわって、言いなりに作られたものではない」としっかり反論しました。
櫻井氏がどう言うのかと思っていたら、「あのね~、あなたはお勉強しすぎて、本質を見失ってるわ」と片付けたのには驚きました。(笑)

◎まあこういう人なんだろうなあと思って見ていると、話は九条問題に移り、櫻井氏はここでも、「自衛隊がイラクに派兵したときに、道で負傷している多国籍軍の(つまり味方の)兵士を見たが、これは救助してもいいのか、戦闘行為への加担にはならないのかと悩んで、電話で指示を仰いでいると、やって来たオランダ軍が『いったい何をしてるんだ』とあきれて、さっさと負傷者を救助した」という話を紹介し、「今の憲法では、こういうばかばかしい、こっけいなことが起こってしまう」とくりかえしていました。

そもそも、そんなことが起こるのも、現地の自衛隊員が困るのも当然予想できたのに、十分な議論もしないで、ばたばた派兵したのが一番の問題ですが、それ以前に、現代の戦争でそんな、ばかばかしいこっけいな場面が起こるのはよくあることで、何も憲法九条のせいじゃないでしょうに。

ちょっと思い出しただけでも、「ルワンダの涙」や「ノーマンズ・ランド」といった映画で、現地の人や負傷兵を守ったり救ったりしたくても、規則や条約でそれがかなわず、涙をのんで引き上げる国連軍やその他の姿は、しょっちゅう出て来ます。規約や協定のせいで現場に対応できない、やりきれなさが描かれています。今の憲法下であろうがなかろうが、「ルールにのっとって殺し合いをする」近代の戦争では、これは必ず起こる現象です。

◎それがいやだって言うのなら、ジュネーブ協定をはじめとする、捕虜の扱いや赤十字や非戦闘員の保護や、その他さまざまな、ある意味偽善のルールをいっさい止めて、古代かいっそ原始人なみのひたすらの殺し合いに戻るか、ばかばかしくてこっけいで、矛盾だらけで現場の兵士は困るだろうけれど、ルールや申し合わせを増やして行って、少しでも「人間的で、礼儀正しい」殺し合いをめざして行って、最後には戦争自体をしないようにするか、道は二つしかありません。

相手のちゃんとした反論に太刀打ちできないと見たら「お勉強しすぎね~」としか言わない人に、あまり期待はできませんが、いったいこうした今の戦争の状況を、知らないってことはないと思うのですが。それが平和憲法下の日本だけに起こる特殊なことのように話すのは、本当に何も知らないのか、知った上での確信犯のごまかしか。多分、両方なんでしょうねえ。

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カツジ猫