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闇が見える。

◇昨日の朝、燃えるごみを捨てに行ったら、少しカーブした坂道の下、うちのではない隣組のごみの集積場の前に、黒っぽいワゴン車がとまっている。少し時間が遅れて、もうごみが持って行かれたか心配なとき、うちの組のごみ置き場はカーブの先で見えないので、坂道の上からそこの集積場を見て、黄色いポリ袋の山が見えると、まだ間に合ったとほっとする。
それが、その車のおかげで見えないので、何て変なところに停めるんだと私は腹を立てながら、坂道を下りた。幸いまだごみ集めの車は来ていなくて、うちの組のごみの山は健在だった(笑)。

が、驚いたのは、私を怒らせたワゴン車は何も好きでそこに停まっていたのではなく、その道から少し行った信号で旧国道に出るのに、車がずっとじゅずつなぎになっていたのだった。
事故か催しでもあるのかと、車列の先をながめたが、特に何もなさそうである。
ここに住んでもう何十年だが、この道がラッシュで車がここまでつながったのなんて、一度も見たことがなかった。

◇その時は気にしながらもそのまま帰り、そのまま忘れていたけれど、夕方大学に授業に出かけたら、事務の女性が、今朝は雪で道が凍って、あちこちで追突や衝突があり、その関係で、このへん一帯の道路が全部渋滞になって、自分も仕事に遅れたし、先生方も一時間目に間に合わなかった人が多かったし、とにかくもう大変だったと教えてくれた。

「ひゃー、私は朝、庭の車が雪をかぶって、上に大きなイチゴでものせたらショートケーキに見えるみたいな状態だったから、雪がなくなるまでは出かけないぞと、家にこもっていたから知らなかった。しかし、渋滞にまきこまれた人もいやだったろうが、その原因となった事故を起こした人たちは、この寒いのに本当に気の毒だなあ。とてもひとごとと思えない」と言うと、彼女も「そうなんですよ。道は凍結しているし、タイヤはすべるし、もう大変でした。事故を起こした人たちも、ここまでとはとても予想しないで出かけたんでしょう」と言っていた。

その後、ニュースで福井方面が、そんなどころではない雪の中の車の立ち往生で、大変なことになっているのを知って、これまた近い状況になりかけたことが過去に何度かあるだけに、身につまされて、聞いているだけでも気が重くなる。もうそろそろ解消したのだろうか。

◇女性関係や難民関係の記事を、的確に出して下さるKumikoさんのツイログを、こちらも久々にリンクします。もう、毎日のぞくたびに、今の社会が陥りはじめている深淵が見え、闇が見え、限りなく同感しつつも、こよなく暗澹とします。

http://twilog.org/Kumiko_meru

私が大学院生のころですから50年近くも前、調査旅行に行ったメンバーが女性一人だったら、食事の席で旅館の人が、先輩後輩教授たち10数人の男性の、ごはんと吸い物とお茶の給仕を私がするべきと当然のように、私の前に、おひつと鍋と急須と湯のみの盆を置いて行き、私は給仕をするしかなかった、それしか旅行の印象が残っていない状況は、いくら何でも終わったか変わったかと思っていたら、今もまったくそのままで、だから女性の多くは日本旅館よりホテルを好む、と、このツイログで知ったときは、呆然として開いた口がふさがりませんでした。他にもあれこれ読むにつけ、こういった問題を放置して、リベラルな人や革新政党の集まりでも、まったく手がつけられていなかったツケが今大きくなってるなあと痛感します。

◇そう言えば、先日RKB毎日の放送をカーラジオで聞いていたら、男性アナかキャスターの人が、フェラーリか何かの競技で、スタート時に旗振ったりする女性が廃止されたのを、フェミニズムの行きすぎと、憤懣やるかたない様子で攻撃していて、相手の女性アナかキャスターも、全面的にそれに賛同を示していて、気持ち悪かったから切りました。

当然そんな感想もあるだろうし、意見のちがいは当然だからいくら言っても別にいい。私がうんざりしたのは「そんなことをさせる(旗振りをやめさせる)人って、頭のおかしいフェミニズムの人、特別な人(誰がどういう経緯でやめさせたかの調査も確認も何ひとつなし。そこのルーズな報道精神も、いっそ危険なデマの領域だと思う)」って決めつけがむんむんで、もうそういう人の悪口はいくら言っても大丈夫と言う、警戒心のなさ、しまりのなさが、すごく聞いてて不愉快だった。政府も汚職も痴漢も動物虐待もかけらも批判しないで、つま先立ちで用心深く話題をさけて回避して、たまたま触れたらものすごく「いろんな見方があるでしょうが」みたいにお茶を濁す慎重さや臆病さと、温度差落差がありすぎた。ことフェミニズムに関しては、安心して攻撃していいのだという心根がみえみえで、ものすごくみっともなかった。

かねがねRKB毎日のアナウンサーの発言は、一回どっかで女性問題人権問題に関する講習を局のトップから末端まで、全員しっかり受けてこいと言いたくなるぐらいのレベルだが、こういうのも沖ノ島の女人禁制を宣伝する片棒担いだ体験が、微妙に影響してるんだろうな。そう言えば、私が女人禁制に「不快です」と宣言したときも、いわゆるリベラルな人権派と自覚してるらしいとんちきが、まるで自然に「こういうこと言う人特別」みたいな反応して、おえっと思ったものだったが、本当にこの方面の闇は底知れない。

◇たいがいタカ派の海外ドラマだって、強面の刑事やスパイが、嬉々として料理作って恋人もてなす場面がいまどきはもう満載だぞ。この前は「ハワイファイブオー」のスティーブが、私よりよっぽど鮮やかな手並みでプチトマト刻んでたし(笑)。そう言えば、あのドラマ、ナチスの残党とか、ハワイの先住民の居住地とか、最近ますますトランプは決して好まないだろうテーマを果敢に取り上げていて、感心しながらも、弾圧くらわないかと不安になる。

昨日の授業は、もうおまけで、学生のレポート添削だったのだが、それが終わったあと無駄話になって、テレビでファイブオー見てる学生と、主演二人の車中の会話が好きとか、いろいろ情報交換した。彼女はクリミナルマインドのファンででDVDボックスも買ったそうだ。レンタルショップでも旧作で安いし、ちょっと手を出してみようかな。

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カツジ猫