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青い鳥

昨日、日帰りで田舎に帰って、書庫の片づけにはげみました。
古い本を読み返していると、何だかすごく面白そうな気がして読みたくなって、持って来てしまうのですが、いざこちらの家で読み直すと、つまらなくはないけれど、思ったほどではない。童話の「青い鳥」で、夜の国や思い出の国で見つけた青い鳥を、持って帰ってくるといつもちがう色になってるのと、ちょっと似てる。

今回持って帰ったのは清水義範「日本ジジババ列伝」とスタインベック「ハツカネズミと人間」、あと小川洋子「アンネ・フランクの記憶」。どれも、それぞれ楽しかった。「日本ジジババ列伝」は「八十年間世界一周」があいかわらず面白く、でも、他の作品もそれなりに悪くない。本当はものすごく恐ろしい情景を描いているのだけどなあ、話によってはさ。

例のマスク配布の話、ご近所の奥さまと庭先で話す。「50億かかるんですってよ」と私が言うと奥さまは「それは郵送費だけで、マスク代が200億で、計250億ですよ」と教えてくれた。裁縫をなさる方なので、「マスクはもっと大きいのでないと。あんな小さなの、私はもらっても使わない」と言っておられた。

しかし、何がすごいって、ただただあきれはてるのは、こんな、長嶋一茂くんからまでも「自分もバカだけど、この提案した人はもっとバカ」とテレビでコメントされて、しかもヤフーのコメント欄ではこれに対して「同感」「もっと言え」みたいな反応しかないほど不評のどん底のこのマスク配布、誰もとめなかったのかよと思ってたけど、これだけ不評でも、まだ誰もやめようとも言わないでずるずる強行しそうなことだ。国民もマスメディアも、これだけ批判しながらも、あのバカをやめさせろと誰も言い出さないことだ。とんでもなくないか。

私もあれこれ忙しくて、まだ辞任要請メールを各方面に出せていないが、遅くとも週明けには送るつもりでいる。そう言えば、昨日テレビで、福岡教育大学の先生たちが付属学校でのセクハラ問題を調査するよう要望書を大学に提出したというニュースが、かなり長く報道されていた。画面に登場した先生方は、皆よく知っている方々で、いろいろ大変な中、あたりまえの戦いをきっちりと続けておられることに、頭が下がり、励まされた。なかなか協力できなくて心苦しいが、何とか早く時間を作りたい。

そう言えば、読みかけて放っていた「シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱」を読み上げて、なかなか悪くなかったのだが、ただ、これに限らないのだけど、映画でも小説でも、権力者や犯罪者をとてつもない頭脳と力を持った巨大な超能力集団として描くのは、どうなんだろうなあ。私はいろんな場所で、それなりに権力みたいなところの中枢に近い場所にいたり権力者だったりしたこともあるが、はっきり言って、巨大な権力持ってトップに君臨してるやつって、おおむねアホだぞ、びっくりするほど。

ちなみに私は昔も今も、数年に一回ほど、自分のことを、あー、救いようもないほどバカだとものすごく自覚して、それでも生きていていいんだ、生きていなくちゃならんのだと、思い直すところから、また始める。だから自分が賢いとは一度も思ったことはないが、そんな私のことを頭がいいという人もたまーにはいて、そのたびに私は、あなたに見抜かれるほどの頭のよさじゃ、私も大したことないわと思うが、まあそれはいいとして、そんなバカな私でも、どう見てもバカすぎると思う人が、エリート集団やトップ集団にはざらにいる。

何をもって賢いとか愚かとかいうのも難しいが、とにかく世の中のどこかにものすごく優れた天才たちがいて、世界を牛耳ってるなんて幻想は、怠け者のすることだから、早めにやめた方がいいと思うぞ。世の中そんなに甘くない。

それと、私はそれが頭のいいということとはちがうと思うが、打てばひびくような勘の良さだの、膨大な知識だのを持った人たちはたくさん見たし、そういう人たちが多い世界というのも知ってるが、同時にほんとに何も知らないし、話がわからないし、本なんて一冊も読んだことない人たちの膨大な集団もこれまたよく知っていて、何と言おうか、いっくら優れた素晴らしい能力持った人たちがいても、そういうのを持たない多くの人たちをひきずりながら、とぼとぼと長い道を歩いて行かなくてはいけないのが、エリートの宿命だろうなと、いつも感じていた。

都会と田舎という言い方で説明するのはすごく乱暴だが、それこそ光速で動いているような優秀な人たちの日常と、明治維新もあったのかいなと思うほど昔のままの田舎の日々をどっちもリアルに味わってると、どんなに前者がすごくたって、後者の大きな圧倒的な存在に縛られて飛び立てないまま生きて行くしかないと、いつも実感してた。日本もだし、アメリカだって中国だって、世界だって宇宙だってきっとそうだ。

それでもトップはトップでエリートはエリートでやって行くしかないのに、このところ「私も普通の人間で」みたいなことをそいつらが言い出す奇妙さが、ほんと諸悪の根源だわ。
長くなるから話をマスクに戻すけど、老後の資金が2000万いるとかいう話があったけど、250億わければ、何人の老後が保障されるんだろうね。考えたくもないけれど。

あ、それで、コロナ被害を受けた人には30万やるけど、書類審査するから提出しろだと。これ考えようではマスクよりもっと腹が立つ。
ほんとに書類が好きで、審査が好きね。タイタニックが沈んで行くときにも書類審査してボートに乗せるんじゃないの、この分じゃ。

私は大学の役職にいた時、書類を書きまくったけど、大嫌いだし大の苦手だし(こういうのに慣れて上手になってたまるもんかと思っていたから、なおのこと)、こういう話聞くと煮えくり返る。震災のときもそうだったけど、追いこまれて落ちこんで首くくろうかと思ってる人に、くだらない注文つけてんじゃねえよ。生きてるだけでもせいいっぱいのそんな人たちが資料そろえて書類書く力があると思ってるのか。ふざけんな。

もうね、これ絶対偏見で差別なんだけど、私こういう時に書類をさらさら書いてさっさと提出できる人なんて、ろくな人じゃないだろうって気さえするのね。ああいや、そういう能力にたけてる立派な人はもちろん何人も知ってるけど、でも、どっちかというと、そういうことができる人ってうさんくさい。母の介護や自分の就職について、名文の作文書き散らして成果をかちとって来た自分自身も含めてね。
一番お金をあげて援助しなきゃならない人たちは、こんな書類、今書けませんよ。ほんとにもう30万くらいのはした金を渡すのに、何、恩着せてもったいぶって、偉そうにしてんのさ。気前よくくれるのはマスクだけかい。それも縁故のある企業で作らせたとかの噂もある。

やっぱり、当面、安倍晋三はやめさせないといけない。そうしてはいけない理由を、ひとつも思いつけない。

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カツジ猫