鬼と兎
◎公開講座の資料を作っていて、女人禁制に関する記事を探していた。この前校正したゲラ刷りの中にもひとつあったと思いだして、読んでみたら、そこの部分の最後の方に、「(この禁制は)今の時代では、鬼がよらない杭のようなものだ」との一文があった。
この紀行は、わりとマイナーながらしっかりした翻刻がすでに出ているので、それも見たら、やっぱり同じようになっていた。
何だろうと思って、原本のコピーで字体を確認したら、「鬼」ではなくて「兎」だった。
「そこへウサギが飛んで出て、ころりころげた木の根っこ」という童謡の「待ちぼうけ」の、あれだ。
つまり、「最初は意味もあったが、今となっては意味がないのに、守られている、しょうもないもの」のことになる。
この字、私の一番新しい校正でも、チェックされておらず、「鬼」のままになっていた。ふ~う、校正も翻刻も、まったくあなどれない作業ではある。
椅子の後ろで何かがかさこそ言っているのは、カツジ猫が偵察に来たな。さっきは朝食をとろうと思ったら、いつも私が座る椅子の上にまるくなっていて、しょうがないから、小さいスツールに座って食べるしかなかったのだが。
◎じゅうばこさん
リンクしている「北窓書屋」の管理人さんが、「ゲド戦記」を「かつて映画館で観た最低の映画」と、ちらっと書いてたような。(笑)
その内、話を聞いておきますね。