黒ひげ大旋風その後
熊本のことはやっぱり気になる。思ったよりもひどい状況のようだ。
毎晩寝苦しいから、テレビなどでおすすめの通り、ゆるめの冷房をつけっぱなしていたのだが、ゆうべは何だか停電の熱帯夜の中で夜を過ごす熊本の人たちを思うと気がとがめて、ついついエアコンをつけずに寝た。そうしたらやっぱり疲れたのか、すっかり寝坊してしまった。まったく私はどうしてこう、何の役にも立たないことをしてしまうのだろう。私が熱帯夜でばてたからって、熊本の方々に何の利益があるわけでもないのに。
幸い今朝はあまり陽も照らず風が強くて、生ぬるく涼しかった。眠い目をこすって水まきに出たら、母家の前のキナモチの木で、セミがわしわし鳴いていた。今年はクマゼミが多いらしく、私はその大きな胴体と透き通った羽が大好きなので、喜んでいたのだが、今朝、幹にとまっていたのは昔ながらのアブラゼミだった。まあこれはこれで渋くていい。そのセミかどうかは知らないが、樹の下のカンナの葉っぱに、きれいな抜け殻が残っている。


以下は、地震の起こる前に書きかけていた文章で、関係ない話ばかりで、のんきすぎるんだけど、一応アップしておこう。
先日ちょっと書いた大昔のディズニー映画「黒ひげ大旋風」のDVDが届いたので、視聴した。やっぱりよく出来ていたが、さすがに昔の映画だから、名人の落語話みたいに、じっくりのんびりテンポが遅く、今の人にはまだるこしくて耐えられないかもしれない。でも、そこがまた、よくもある。字幕は昔映画館で見たのとは変わっていたが、なんと日本語版の吹き替えまでついていて、笑いながら楽しめた。
弱小高校の陸上部が黒ひげのインチキで、大会で優勝して悪徳ボスか老婦人たちのホテルを守るベタな話だが、主役の青年コーチが王道の健全正義派で、スポーツマンシップを遵守して黒ひげのインチキを許すまいとがんばるのも、古き良き時代のアメリカや世界をしのばせて、ああこんなに世の中はまともだったんだなあと痛感した。ついでに言うと絵に描いたような地元の悪徳ボスが、何で老婦人たちのホテルをのっとって買い占めたいかと言うと、そこにカジノを作りたいからで、そっかー、昔の健全な社会常識じゃ、カジノもカジノ建設も説明不要の無条件で悪役とセットになったたんだよなーと、あらためて大阪万博もその下準備だと言われてた大阪のカジノ建設を思い浮かべて隔世の感にひたった。
そもそも維新や橋下さんが、卒業式で日の丸君が代を踏み絵にして処罰までしていたのも、私はいったい今の政治家や大人は古典文学というか童話も読まんのかいと、まずあきれた。決して左翼ではない(ヒトラーが好んだとかいう)ドイツのシラーが書いた有名過ぎる戯曲「ウィルヘルム・テル」で悪代官のゲスラーは、自分の帽子を広場に立てて敬礼しない者は投獄する。あまりに有名な話で、要するに、そういうことを強制するのは独裁者で悪役でアホだというのは、世界と歴史の共有している常識のはずだ。そういう感覚がないのだろうか。文学の効用、古典の効用とよく問われるが、そういうかたちの人類の文化的遺産だか教養だかを知らないままで育つのも暮らすのも、ろくなことにはならないと、いつも思う。
国旗損壊問題もそうで、これは共産党の大門実紀史さんが、たしか国会でわかりやすく面白く本質をついた質問をしていたっけ。長くなるから、また後で。