1. TOP
  2. 岬のたき火
  3. 日記
  4. 1勝1敗?

1勝1敗?

あまりの暑さに、仕事の手順を考えながら、ぼうっとベッドにひっくりかえっていたら、年賀状の当選番号の確認も、携帯電話の買い替えも7月末が期限だったのを、とんと忘れていました。

携帯の機種が新しくなるから、今だとお得、とか案内がずっと前から来ていて、その封筒をずっと車に積んでいたのに、この始末。
1日遅れでショップにかけこんだら、ポイント使えばなんとかタダになるとかで、もうデザインもこだわらない、機能も最低で充分と、シルバーの丸っこいやつを購入しました。今までのは実によく働いてくれたので、店員の見てないすきをねらって、こっそり感謝のキスをして、処分してもらうようたのんで置いてきました。

初めて携帯買って、これでまだ三つめなんですよ。ずっと前のを長く使ってたので、新しいのを開いてみると、地味なシルバーと思っていたら、画面や中身もずっと洗練されていてきらびやかで、これがタダで手に入るのかと、うれしいけど、何かまちがってる気もする。
電源入れてから起動するまで、前のより時間がかかるのも、いろいろ複雑な機能がいっぱいついてるからなんだろう。第一、すごく軽い。それにも驚いてしまう。

年賀状の方は、きっとこんな時に限って、ハワイ旅行かパソコンかすごい商品が当たってそうな気がするけど、くやしいから、もう見ない。
まあ、電話の方だけでも手に入ったから、1勝1敗ってことで満足しておこう。

じゅうばこさん

「プレシャス」の映画感想、楽しみました。私のへやのくだりは余計ですけどね。(笑)

「そんなことだろうと思った~!」は、私はこのごろ、小説でいつも感じます。「アルトゥーロの島」も、主人公の少年が父の若い妻と仲よくなれないでいる場面がずうっと続くのですが、それを読んでいる間中ずっと、この少年がこの女性をめちゃくちゃ好きなのがわかっていないのは、この少年(と、その女性)だけだろうと思っていました。私がわかっているだけじゃなく、他の読者がわかっていることまでわかってしまうぐらい、わかりました。(笑)
歌舞伎で、「忠臣蔵」の勘平が無実の罪で切腹するのや、「四谷怪談」のお岩さんがだまされて毒酒を飲むのや、客席は全員わかってて、「あ~あ~」と思って見ているみたいな情景を連想してしまったなあ。

でも、それは作者もわかって書いてるんだろうし、この若い妻がすごく魅力的なんで、別にいいんですけどね。素朴で無邪気で土の香りがする、いかにもイタリア娘という感じで。
少年があこがれる父親も、最後まで読むとまったく「いや~もう、そんなこったろうと思ってた」の世界でしたが。

そのあとすぐ読んだ「巨匠とマルガリータ」はそういう点では、まるで予想がつきませんでしたが、「やし酒飲み」などとちがって、とんでもない世界を描いているようで、しんき臭いほどリアルでしたね。ロシア(ソ連?)が舞台なんですが、最後の方でマルガリータがぶっとんで魔女になるからまだしも気分が晴れますが、そうでなかったら、悪魔がでようが魔術がはびころうが黒猫がしゃべろうが、いつもどっかで見てるような、現代社会そのもので。社会主義社会の官僚主義をイメージして作者は書いてるんでしょうが、何のことはない、昨今の、いやずっと前からの日本も、ずずっと重なってきて、笑いながらもうんざりしました。
ゴーゴリの「検察官」とか、大西巨人の「神聖喜劇」とか、現実をそのままに描いた方が非現実的で象徴的に見えて、「巨匠とマルガリータ」のような現代の怪談風な話の方が、やたらリアルに感じられてしまうというのは、どっちも面白いのですが、何かふしぎな気もします。
チェスタトンの「木曜の男」もちょっと似てるけど、あれはもっとシャープで洗練されてて、「巨匠とマルガリータ」の方は、よかれあしかれ泥臭くて雑然としている。そこが持ち味なんですけど。

カツジとシナモンは、さしみをたらふく私からぶんどって、満足して寝こけています。

Twitter Facebook
カツジ猫