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7時近くなると。

◇6時半すぎると、あ、母のところに行かないとと、ひとりでにあせってしまう。テレビの番組も今日はあれを見るのだったと、母の気に入りを毎日だいたい覚えている。以前、叔母が亡くなってしばらく、病院の近くを通りかかると、身体が自動的にそっちの道へのハンドルを切りそうになったのを思い出す。今日はやたらと寒く、手が氷のように冷えて、これを母の顔にくっつけていやがらせようと、これまた自然に考えてしまう。

とは言え、私の中に悲しみや切なさはどう見渡しても皆無なので、たとえば母の死をまだ知らないらしいで、のんきな声でしょうもないことを言ってくる人、知っていても私が平気な顔をしているので、気にするのを忘れて自分のペースで長々とおしゃべりをする人などを見て、えーかげんにせーや、こっちは親を亡くしたばかりだってわかってんのかとちょっと言いたくなるものの、それにふさわしい傷つき方も落ちこみ方も、どう考えてもしていないので、不満を抱くのはまちがいのような気が、自分でもついするのが何だか損な性格かもしれないと思ったりする(笑)。

◇今日の国文学史の授業は、時間が足りなくなってきているので、歌舞伎と浄瑠璃をいっぺんにまとめて話すという暴挙に出た。比較出来て、かえってよかったかもしれない。5限目のわりには皆よく出席して、寝ずに聞いてくれている。そろそろレポートの課題をプリントして渡さなくてはならない。

◇今日は市役所で、たまたま別の取材で、各紙の記者さんが集まっているというので、沖ノ島を考える会を立ち上げたことを、もう一人の代表といっしょに聞いてもらった。報道してもらえるかはわからないが、今後の活動のためにも、報告だけはしておきたい。そう言えば、もうすぐ婦人参政権運動を描いた「未来を花束にして」の映画も公開されるなあ。メリル・ストリープはゴールデングラブ賞の授賞式で、トランプを批判した、いいスピーチをしたらしいが。

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カツジ猫