DVDざんまい。
◇うちの近くに新しくできたDVDのレンタルショップは、何を考えているのか、原発や原爆に関する作品をみょーにそろえていて、「チェルノブイリ・ハート」やら「イエロー・ケーキ」やら「二重被爆」やら「放射能廃棄物」やら、ざくざく見つかります。いいんだけど、面白すぎて(という言い方も不謹慎なのだが)、感想書くのが追っつかない。
原爆関係じゃないのだけど、「ナチス 偽りの楽園」というドキュメンタリ映画が、衝撃的でした。そんじょそこらの劇映画なんか顔負けの迫力、深さ、悲しみ、華やかさ、空しさ。映画好きならぜひ一度、ごらんになって下さいませ。そのうちもし、ヒマができたら、感想書きます。
◇いろんな海外ドラマの予告に入ってる「デイ・ブレイク」というドラマが、何だか面白そうで、見たいなと思ったが、いっこうに発売にならないし、発売予告にもない。白人の主人公じゃないから、日本じゃ人気が出ないと思ってるのかしらんと邪推したりしてたら、この前いきなり棚においてあったので、ほいほい全巻借りてきた。
ある刑事が無実の罪をきせられて、その解明に奔走するのだけど、すごいのは、何やら不可解な理由によって、その罪に陥れられた一日が何度もくりかえされ、いつも目覚めると同じその日の朝で、努力次第で状況はいろいろ変わるのだが、絶対に明日にだけはならない、という設定。「LOST」のスタッフが作ったとかいうふれこみで、どういう風に処理するのかだけでも、見たくてしかたがなかった。
◇結論からいうと、なかなかうまくできていた。主人公の刑事はアフリカ系の人で、ものすごく賢そうで端正な雰囲気の人である。そりゃ、よっぽど頭が冴えて涼しい人でなくちゃ、毎日同じ日が際限なくくりかえされる、こんな状況には対処できまい。
だって、他のすべての人にとっては初めての日なのだから、「え、この人にはもうこのこと話したっけ? あれは昨日言ったんだっけ、じゃまた今日言わないと」とか、しょっちゅう考えてないといけないわけで(笑)。
でも、見ていて、それでけっこう話が成り立つのがすごい。ていうか、だんだん、この状況がそれなりに現実的に見えてくる。同じような毎日のくりかえし、とか、経験の蓄積によって省かれるムダ、とか、現実にもある感覚と重なってくる。
そして、消えてなくなったはずの前日に起こったことが、びみょーーーに残存して状況に影響を与えてるようなのも、なかなかいい。
何度でもリセット可能、という夢の実現と、そうなった時の恐さとが、うまくミックスされている。
◇でも、何なんだろう、このDVD、やっぱりそんなに売れないと思ってるんだろうか。だってさ、いまどき吹き替えバージョンがついてないんだよ! これじゃ借りる人少ないだろうなー。別に吹き替えつけるのが難しい内容でも全然ないし、やっぱり何だかナゾな発売のしかたではある。