ぼくの、きんきょう
ごぶさたしていますが、いかがおすごしですか。
ぼくは、まいにち、おさしみをたべ、
よるはかいぬしにだかれてねて、
わがよのはるを、おうかしています。
「そうそう、いいことは、つづかないものなのよ」と、
かいぬしは、まいにち、ぼくにいいます。
「いつまでも、あるとおもうな、さしみのひ」と、
ぼくのかおをみながら、ぶつぶついっています。
このごろ、かいぬしは、にわをきれいにして、はなをうえました。
それで、よく、にわにでて、なにかしています。
ぼくもでていって、そばについていたら、
きのう、まえあしをふまれました。
「ぎゃああ」と、おもいきりないたら、かいぬしは、
「ひゃあ、ごめん、わざとしたんじゃないってば」といいながら、
「ちょっとさわっただけじゃないか、ふんだというほどじゃないのに」と、
ぼくのあしをさわって、たしかめていました。
かいぬしは、このごろ、まどに、あかと、あおの、
こいのぼりの、ぬいぐるみをかざりました。
おともだちにもらった、ゆふいんのおみやげだそうです。
ぼくが、あかいほうのを、よくはたいて、ころがすので、
かいぬしは、かえってきて、そとからみて、
まどにあおいのしかないと、
「あ~あ」とためいきをついています。
このしゃしんは、おひるにとったので、めがほそくて、
かおが、こわいです。
「たまには、こういう、わるそうなかおのもいいね」と
かいぬしは、ぼくにいいました。
つよそうにみえるから、ぼくも、まんぞくです。