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すごみのある雪。

◇昨日は近くの公民館に地域の方々の文化講座で、紀行文の話をしに行きました。ものすごくいろいろつめこんだ話でしたけど、皆さんちゃんと聞いて下さったようで、安心しました。古い和書を回覧して見ていただいたのを、喜んで下さった方が多かったのと、男性の方が、「江戸時代の年表を簡単に教えてもらったのが、すごく助かった」と言っておられたのが、うれしかったです。「江戸時代はだいたい300年、慶長で始まって慶応で終わる。ほぼ真ん中が享保、前半のまん中が元禄、後半のまん中が文化・文政、享保と文化・文政のまん中ぐらいが安永・天明。この年号ぐらいを覚えて、それぞれの時期の文化の特徴を覚えればいい。元禄は西鶴・近松・芭蕉、安永天明は秋成、文化文政は馬琴、とか」って、あれね。

最後に、皆さんの持って来られるノートに、出席のしるしに私の印鑑を押すのですが、「あー、田舎の家でこの前見つけた、うちのワラビの紋章のハンコ持ってくればよかった」と言ったら、担当の女性の方が残念がって、「今度またお願いするかもしれないから、その時はぜひそれで」って言って下さいました。

江戸時代の紀行が否定されたのは鳴神克己「日本紀行文藝史」だろうという話をしたら、質問が出て、「昭和18年の本だということだが、その時期は戦争で人が多く死ぬ暗い時代だったから、芭蕉のような深刻な作品が評価されて、楽しい旅を描いた紀行が否定されたということはないですか」と聞かれた。あー、もしかしたら、それって一理あるかもしれないなあ。

その最後に印鑑を押しているとき、「夫が先生のファンで、ご本を全部持っています。それを伝えて来いと言われましたので」とおっしゃった奥さまにも、驚きつつありがたく感動したが、「九条の会のビラを、いつも拝見しています」と言って下さった方にも驚き感謝した。あわただしい中で、どちらの方ともそれ以上話ができなかった。どちらの方も、初対面なのに、とてもなつかしそうに笑いながら、どういうか万感の思いをこめられたようなお言葉で、目の前を美しいものがすうっと通り過ぎたように、ありがたく力づけられた。神や仏がいきなり現れて「ようやっとるな、それでいいのだよ」とか何かお告げをして「あのあのあの」と、こっちがあわてている内に消えてしまう、とかいう伝説は、きっとこういう体験から生まれるのだなあと変な実感をした。

◇で、そこの公民館の方がおっしゃるには、「いやもう、先生の講座が無事に開けてよかった。実は今日明日が大雪だというので、今日の午後から明日まで、臨時休館するように指示が来て、昼からは閉鎖するんです」とのことだった。わあそれはと、のけぞりながら、ちらつきだした雪の中を帰って来て、母のところに行ったあと、早めに寝たのだが、果たして今朝は朝からものすごい寒さ。一日家から出なかった。

雪の積もり方も何だか変で、ふわふわどっさりではなく、うすく膜のように地表をおおっているのが、逆に変なすごみがある。そして、風も強くて吹雪のように雪が窓に吹きつけて来る。きれいなので、仕事もさぼって、クローゼットのこたつに入ってずっと舞い散る雪を見ていた。家のない動物や人間は、こんな中どうしているのだろうと、それも気になった。一日窓から見ていても、人も車は数えるほどしか通らなかった。

今週もこの寒さが続くのなら、田舎の家に帰るのも延期した方がいいかもしれない。とにかく家の片づけをしようにも寒くてとても手をつけられない。
食べ物はそこそこ買いこんでいたので、野菜と鶏肉を放りこんで鍋を作ってあたたまった。パンも買っておいて本当によかった。
何しろ、この雪は、うっすら積っている分、すごくすべりやすそうで、車はもちろん歩いて外出するのも自殺行為という気がする。

◇夕方、大学時代の友人から電話がかかり、京都に旅行に行くので、田舎から博多に電車で出て来たが、いつもは3時間もかからないのが、6時間かかり、途中の駅で3時間停車したそうだ。しかも、車を使えない分、電車に乗る人が多くて、車内もぎっしりだったとか。いつもは彼女が博多に来るときは私も行って食事でもつきあうのだが、今日はもちろん問題外で、せいぜい電話でくっちゃべった。彼女は「スター・ウォーズ」の新作をもう見たそうで、なかなかよかったと言っていた。

さて明日の天気はどうなるのだろう。洗濯物はたまっているし、夜はたしか会議も一つあるのだが。

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カツジ猫