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ばしゃばしゃ。

◇昨日は博多座に歌舞伎を見に行った。夜の部の最後は「鯉つかみ」というタイトルのやつで、どんな内容か私も知らなかった。あまり有名な作品ではないらしく、筋もまあどうってことはないが、ひと目ぼれしたお姫様が鯉の化け物にだまされるんだけど、ちゃんと本物のひと目ぼれの相手も存在してて、「アナと雪の女王」みたいじゃなく(しつこいよな私も)そういう恋をするお姫様のこともちゃんと認めてくれているのが、うれしかった。

まあそんなのはどうでもいいので、ラストの見せ場は本水(本当の水)を舞台のプールみたいな池にはった中で、鯉の化け物と若武者がとっくみあいのバトルをするというもので、鯛焼きのように肥った作り物の鯉が白目をむきながら、どたんばたんあばれて、しっぽでばしゃあんと何度も水をはたいてまきちらして、前から三列目ぐらいまでのお客さんはあらかじめ配られたビニール布をひっかぶって、わああきゃああと言いながら見るという趣向で、後になったらあれは何だったんだと言いたくなるけど、その時はやたら皆テンションが上がって盛り上がった。夏らしくてよかったのじゃないかしらん。
鯉は死んだと見せて油断させておいて、いきなり口からぷわああああと消防隊のホースのように水を客席めがけて放水するというワザも持っていた。しっぽで水をはねかす勢いもバカにならなくて、大活躍していた。

ううむ、五月が終わったらこんなの着てたらおかしいよなと思って、早々にクリーニングに出してしまった鯉のぼりのワンピースを着て行けたらよかったんだけどなー、残念。
私は右の方の前から四列目だった。多分大丈夫と思ったんだけど、ひょっと水が飛んでくるかもしれないと思って休憩時間中に、館内に出店してる舶来品のお店にバスタオルが売ってないか見に行った。そうしたら、タオルケットになりそうな大きいのが、売れ残ったのか5000円ぐらいのが1500円になっていたので、ほいほいと買ってしまい、それをかぶって見てたけど、幸か不幸か水は飛んで来なかった。

バスタオルは今ベッドにしいている。赤い草履をあしらった派手~なデザインだ。老人ホームの母のところに持ってってやってもいいのだが、なぜかしらん、あそこのヘルパーさんたちは、派手なかわいい模様のタオルや毛布があると、ジャケットや上着はちゃんとあるのに、外出の時にそういうタオルや毛布類を代わりに母に巻きつけて出かけるので油断ができない(笑)。
何でなのかなあ。聞いてみるほどのことでもないので、理由はわからないのだけど。母自身もまだ元気で自分でデイサービスとかに行ってたころ、ちょっと私が目をはなすと、フリースのきれいなガウンやパジャマをよそ行きがわりに着て行って、私は「恥ずかしいったらありゃしない。素っ裸の方がまだまし」とか、激怒してどなりつけていたのだが、母はけろっとしていて、何が悪いのかよくわかってないようだった。その後、香港か中国か何だかそのあたりで、パジャマを着て外出する人が増えてると聞いて、母のしてたことは流行の最先端(一部の地域限定)だったのかとちょっと思ったりもしたものだったけど。ああいう、きれいなタオルや毛布って、たくさんの人に見せたくなるものなんだろうか。

◇ちゃんと見てなかったけど、サッカーの試合、日本は決勝進出できなかったのね。まあいろんな人が言ってたけど、外国勢同士の試合の方が、のんきに見られて楽しいっていうこともあるから、それもいいのかもしれない。
私はサッカーでもオリンピックでも、競技や選手自体はそんなに嫌いじゃないんだけど、あの妙に悲壮だったり熱っぽかったりする解説がむしずが走るほどいやで、ちっとも楽しめない。もっと淡々と報道する局が、どこかにあったらいいんだけどなあ。
観客の方も、もちろんもともと本当に好きな人も多いんだろうとは思うが、日本が一丸となってみたいな盛り上がり方や、「別に~」と言ったら変な目で見られる雰囲気というのも、うっとうしい。だから、これから、ほっとして、そろそろテレビで試合を見てもいいかなと思っている。

あ、関係ないよなあるよな話だけど、退屈しのぎの読み直しに「八十日間世界一周」を読んでいる。初めからちゃんと読み直せばよかったのに、ラストの面白さが忘れられず、思わずそこから読んでしまったので、いまいち、のらないで、ちびちび読んでいる。
主人公のフィリアス・フォッグ氏一行は当然日本にも立ち寄ってるんだよね。ちっとも覚えてなかったが。横浜に上陸して、かなり詳しくいろいろ書いてる。決してそんなにどころか、全然ほめてもいないし、日本人の体形を「頭が大きく身体が四角で足が短い」とか書いているのが、かえって何だか安心する。
そして、犬や猫のことも書いていて、「恐ろしく甘やかされた、尻尾のない猫」たちがいると書いてあるのが何だか楽しい。動物好きの英国人から見ても、日本の猫は甘やかされていたのか。そしてたしかに昔はしっぽのほとんどない猫が日本じゃ主流だったから、それが外国人には珍しかったんだろうなあ。

そう言えば、昨日の歌舞伎の「船弁慶」の知盛の幽霊は、なかなか迫力あってカッコよかったけど、背中にたらしたふっさふっさの黒髪は、うちのカツジ猫のしっぽをつい連想してしまったっけ(笑)。

◇首相は集団的自衛権の公明党との合意を、外国に行く出発前に取り付けたいと熱心らしい。識者も国民も誰も積極的に賛成はしていないというか、そもそも賛成しようにも反対しようにも、猫の目のように変わる内容に多分誰もがついて行けていないのに、一国の憲法をこんなにどたばた変えようとするその熱意はいったいどこから生まれるのだろう。そんなにバカをしたいならして、後の歴史(がまだあるのなら)に前代未聞の愚かな指導者として名を残せばいいと、こっちもつい捨て台詞を吐きたくなる。

などと、書きたいことはまだまだあるが、今日は仕事が忙しい。ちょっとは進めないとマジでヤバいので、いったんここまでにしておきます(笑)。

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カツジ猫