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クマクマ。

◇あいかわらず、クマの置物で悩んでいる(笑)。
それでなくても、田舎の実家を片づけるのに、何を誰にもらってもらって、自分は何をこちらの家に持って来ようかと頭を悩ましていて、それでも、まあまあ何とかなりそうだった(というのは幻想かもしれないが、それにしても)のがクマの置物をどうするかで、すべてががらがらと崩れつつある(大げさな)。

もらってくれる人もひょっとしたら、いるかも知れないのだが、やっぱり私はあのクマを今いる家に持って来たいのだと思う。それもわりと明るい部屋においておきたいと思っているらしい。らしいと言うのは、自分の気持ちがよくわからないのだが。
家のほとんどを本棚ばかりの書庫にしてしまう予定なので、そのどこかの隅に置いておくという手もあるが、しかしですね、あんな不気味なものが、薄暗い書庫のすみっこに黙ってたたずんでいたら、しかも、つめをむき出した手を振り上げ歯をむき出して怒っていたとしたら、その内に悪いものでもとりついて、クマがよくないものに変化しそうじゃないか。ううむ、昔読んだ創元推理文庫の怪奇小説傑作集にそういう話がありはしなかったろうか。

せっかく北海道から連れて来て、長年実家の床の間に鎮座して、しかも今じゃ多分誰も買わないだろう、あのクマだからこそ、私のそばで最後まで、ってクマの置物の最後だか最期だかが何をもって決まるのかは知らんけど、何しろ幸福な晩年を送らせて、幸せを人にもたらす置物にしておきたい…いかん、こんなこと書いてると、絶対にこの家に持って来るしかなくなるぞ。
とにかく、持って来るからには、こそこそかくしたり、邪魔そうに押しこんだりしないで(そのくらいだったら手放した方がいい)、堂々と、立派に飾ってやりたいのだ。とは言ってもこの家には、床の間もそれに類したものもないのだから、部屋のどこかにオブジェのようにおいておくしかない。
もう、その風景って何か考えただけで頭が痛くなりそう。
でも、やって見せる。いつも思うのだが、こんなつまらないことに、どうして私はこう意地になる。

今のところ、居間兼台所に置く予定だったテーブルと椅子を、ひとまわり小さいものに変えて、それも田舎の家にある、丸いワイン色のラグの上にクマをおいておこうかと思っている。それなら、まあまあ見られるだろう。

◇母の誕生日が近い。早めに猫の模様の靴下をプレゼント用に買った話は前に書いたが、直前になってばたばたしないですむために、こうして早めに買っておくと、今度はぎりぎりになってからつい何かを追加してしまいたくなるのが恐い。今回も今日、街で若者向きのお洒落な店の前に出ていた、長めのカーディガンが派手な模様がかわいくて値段もそこそこ安かったので、ついまた追加で買ってしまった。若者向きで相当細身だが、まあ何とかなるだろう。こういうのは気合である(笑)。

明らかに予算オーバーなので、花とケーキをけちろうかと思っているが、しかし、90代もなかばの親ともなると毎年来年がないかもしれないと思うので、気前よくならざるを得ない。母の位牌の前で「ああ、あれが最後の誕生日だったんだなあ。何でちゃんとしたケーキを買ってやらなかったかなあ」と後悔したくない…のはいいが、毎年そう思ってもう10年近いんじゃないか。誕生日だけじゃない、母の日も敬老の日も正月もクリスマスも、「来年があるかわからないもんなあ」と先はないものと思って今最高のことをしなければという、甲子園の高校生投手のような気分で思いっきりいろんなことをしてしまう。高校生はいいよ、ほんとに一回きりだから。私の場合、この先いつまで続くのかわからないのよ。あと10年もこれが続いたらどうしよう。

きっとあれだな、「この分じゃ来年もまだあるな」とか思って私がケーキや花やプレゼントを手抜きしたとたん、きっとそれが最後の誕生日かクリスマスになるんじゃないかな。そう思うと、ためしにちょっと、やって見ようかしらんなどという遊び心♪も最近では生まれるのだが、まあ結局は勇気が出ない。

◇今日はうれしいことがあった。街のよく行くお店の店長が、2年ほど前、若い奥さんに子どもが生まれるんですと喜んでいて、もうそろそろですとか言っていたのに、生まれたという話はまったくしないし、その後もそのままだったので私はひょっとしたら奥さんか赤ちゃんかに何かあったんじゃないかと気になって、でも聞くのも恐くて、いつも関係ない話ばかりしていた。
そうしたら、今日、奥さんがお店に来て、お人形のようにかわいい女の子がいっしょにいた。もう2歳近いらしい。小顔ですらっとした、とても元気そうな子で、名前もすごくしゃれていた。三人はとても幸福そうで、私も何だかハッピーエンドの小説を読み終えたような満足感で、絵のようによりそって手をふる家族に見送られて、こっちも飛び跳ねそうな気分で帰って来た。

むろん小説とちがって、現実はこれからまだまだ大変な毎日が続くわけだから、どうか何事もなく無事で育ってくれるようにと祈らないではいられない。
きっと、あっという間に成長して、きれいな女性になっちゃうんだろうな。

◇クマで悩んだり女の子で喜んだりして気分がハイになり、思わず「思い出のマーニー」や「蜩の記」や、映画の原作本ばかり数冊買いこんでしまった。ついでに久しぶりにツタヤに行ったら、映画館で一回しか見られなかった「ノア」のDVDが出ていて、新作で二泊三日だったけど、迷わず借りてしまった。しかも「私はラブリーガル」の新シーズンも出ていて、これもついつい借りてしまった。
もしかしたら今回の大断捨離で、10年以上前に買った大型テレビを処分するかもしれないので、その前にこのテレビでいろんな作品を見て、最後の別れを惜しみたい。

◇カツジ猫は昨夜、どこかの猫と金網越しに大喧嘩していて、私は疲れて寝ていたのに起きて外に出て行って相手の猫を追い払った。姿は見えなかったけど、外猫のしまおとはカツジはしぶしぶ共存しているので、どこかの新顔猫だろう。でもカツジのやつ、真剣に対戦する気がないのは、金網の中の棚の一番高いところに乗って下に向かってうなっていたのでも明らかで、つくづくもう、びびりなやつだなあ。まあ、そこがいいんだけど。

◇あー、それにしても突然ですが、企業献金を復活させるんだったら、政党助成金やめろよ。助成金もらってない共産党は別として、各政党ともよく恥ずかしくないよな。どう考えたってサギだろう。今の政治がろくでもないものになってる一つは、政党作れば金がもらえる、あのしくみなんだから。

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カツジ猫