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外から見ると

絵本「ネコヅメのよる」みたいな細い月が、空にぴかぴか光っていたのは、あれは昨日のことだったっけ。あまりにもめちゃくちゃ動き回っているので、もはや時間もわからない。

裏の崖の上が整地されて家が立つかもしれない。これまでは畑と森だった。もし、そこに家が立ったら、私の建て増しして塔みたいにぴょこんと突き出している二階の窓と、真正面になるかもしれない。ひょっとしたら、「雪の女王」とか「バス通り裏」(古いよね)とか「裏窓」みたいに、窓越しに住人同士が顔を合わせる事態だって、ないとは言えない。

何を期待したのでもないけど、少なくとも、見られてものぞかれてもカッコ悪くないようにしようと、そこの窓にいろんなものを飾って面白く感じよくしたのが、このたび二階をきれいに居心地よい屋根裏部屋風にした、最初のきっかけだったのだが、いったい実際には上から見たらどうなのかしらと思って、数日前に、崖の上の空き地に行ってみた。

もう二十年ほど前、犬のバロンを散歩させたり、死ぬ直前の弱ったキャラメル猫を抱いて歩いてやったりした道だが、それ以来多分足を踏み入れたことがない。
でも林も小道も、ほとんど変わっていなかった。前は畑だったあたりが、多分草ぼうぼうになっていたのを工事の人が刈り込んだのか、短い雑草におおわれた空き地になっていた。

こんなところで、お目ざめになったばかりのマムシにかまれるような死に方はしたくないものだと思いながら、気をつけて、私の家の窓と向かい合う、崖のはしまで行ってみた。
そうしたら、日差しの加減かもしれなかったが、窓の中はまるで何も見えなくて、防犯用に取り付けてある鉄格子だけが、味気なくぴかぴか光っていた。

大いに拍子抜けしたが、写真をとって引き上げた。まあ、あれだけばっちり格子が見えているんだったら、防犯効果は絶大だろうと、そこは安心する。
光の加減がちがうときにまた行ってみたい気もするが、なかなかそんなヒマはなさそう。

この前ここで書いた、バカ首相が読み間違いをした話を、パソコンを使わず、したがってここも読まない友人にハガキで教えたら、携帯メールで返事が来た。たまたまその場面を通りすがりに家の中のテレビで見てて、「祈っていません」と言ったので、あれ?と思って不思議だったのだが、そのままになっていたそうだ。おかげですっきりしたけど、自分も読めないかもしれないと書いていた。たしかに、あの首相に「已ません」の文字の原稿を渡すのは、いやみか罠かもしれないとはちょっと思う。にしても、にしても、あれだけ大切な行事の前の原稿を前もって読んで、ルビでも振らないものだろうか。それに、文章の流れから「やみません」しかないってことぐらい、わからないだろうか。読めなかったら、いつものごしょごしょむにゃむにゃを今こそ発揮して、口ごもってごまかしときゃすむものを。

私は今のわが国の首相が、これだけ教養がなくてアホなのを、そりゃ悲しいし恥だと思うし情けない。しかし、それにもまして、こいつ万事にわたって、詰めが甘くてセキュリティ感覚が貧困のゼロ以下なんだよ。とっさのごまかしもできなきゃ、最低のチェックもようしない。そんなやつが、国防の最高司令官みたいなことして、緊急事態条項でもできた日にゃ、強大な権力と決定権を握るというのが、もうね、ヤバ過ぎる。皆よくのんきに寝たり食べたり買い物したりできるよな、こんな怠け者の反応鈍いやつに生殺与奪の決定権握らせといて。まあ私も寝て食って飲んで、買い物してるけどさ。

今日、山ほどたまった、猫缶の空き缶を出しに行ったら、資源ごみの集積場のおじさんに「わあ、こんなにきれいに洗って持って来てくれると助かります。いやもう、汚れたままのを持ってくる、ひどい人がいるんですよ」と手放しでほめられてしまった。ちょっとうれしいわ♪

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カツジ猫