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映画「ゼロ・ダーク・サーティ」感想(あとちょっと、これで終わり)。

◇「ゼロ・ダーク・サーティ」のヒロインの、必死モードに入る理由は、私が幼いころから見続け、「ブラックホーク・ダウン」で脱力したものと同じだ。古色蒼然だし、核になる心情としては、あまりに弱すぎる。せめてはもっと壮大な地球の未来図にでも基づいて、決断行動してほしい…って無理か。
でも、たとえばゲバラの映画などでは、たしかにそれがあったのだ。こんな理由で執念をもやす彼女も不幸だし、それを見せられる私だって不幸だよ。

この監督の映画は前作の「ハート・ロッカー」も嫌いじゃないし、今回も面白いっちゃあ面白くて楽しみもしたのだが、何せ半分以上は私のせいだとしても、いらんことをあまりにいろいろ考えさせてしまうのが、しかもそれにさっぱり、みごとに何もこたえてくれてないのが、いたずらに欲求不満をつのらせる。
確信犯でわざとそうしているのか、あるいは諸般の事情から、ここまで描くのが限界なのかしらないが、そんなこと私の知ったこっちゃないもんね。

◇あ、あとひとつ書いとくとね。
他力本願ではいかんと思うけど、あえて書くなら私はやはりアメリカは(ほんとはソ連も)、つまり先の大戦で「悪の枢軸=ドイツ、イタリア、日本)」を倒して、新しく正しい世界を築いたということになってる国は、しっかりしといてほしいのね。まちがうことはあってもいい、ほろびることはしかたがない。でも、どういうか、自分たちがかかげて敵をほろぼし、敗者を罰した理屈や理想は、一応守っておいてほしい。

そこがふらふらして、あんまりみっともないことしてたら、あの大戦で確認された人類の申し合わせや約束が、全部ふらふらし始めてしまう。そして結局、「日本はまちがってなかった、あの戦争は正しかった」なんて話になってしまいかねない。まあ、そんなこと言いたがる人たちが基地問題でもTPPでも、アメリカに全然抵抗できないっていうのも、これまた不思議な現象だけどね。このへんのねじれについては、きちんと整理しておかなくてはいかんのだけど。

◇アメリカがやたらと正義の味方ぶって、忙しく世界のあっちこっちに口を出して首つっこむのも、このところ成功したためしはないし、ろくなことにはなってないけど、でも、他国のことにまったく手を出さないというのも、それはそれでどうかということもある。早い話がインドで花嫁が焼き殺されるとか、アフリカで少女が性器切除されるのとか、独自の文化じゃすまされないことについては、野暮な介入するしかないでしょ。
そういうことも含めて、アメリカの精神を私はすべて否定はしない。ただ、だからこそ、やっぱり、ナチスや旧日本軍でも言いそうな情けない泣きごと言ってる映画を作るヒマがあるなら、ちゃんと自信をもって兵士が戦えるような大義をかかげてほしいのよ。戦わなくてはならないのならだけどね、もちろん(「おまけ」もあります)。

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カツジ猫