1. TOP
  2. 岬のたき火
  3. 日記
  4. 映画「ニューイヤーズ・イブ」感想。

映画「ニューイヤーズ・イブ」感想。

◇ぎりぎり新年と言えるうちにと思って、今日見てきました。やっぱり映画館で新年に見ておいてよかったです。極上の正月気分を味わえました。

いくつもの話が平行するのに、ごちゃごちゃしないし(回想シーンをひとつも入れず、時間の流れをまったく乱さないってのもあるよね。それは案外大変な技術なんだとも思うけど)、俳優はうまいし、画面は華やかだし、小技はきいてるし(エレベーターの手動ドアをがっちり自分で閉める老婦人とか、よいわー)、ちゃんと伏線やサプライズも絶妙のバランスでかみあってるし、ほんとに、うまいなー。

見ていて、あー、ニューヨークに行きたいと思っちゃったのはいいとして、このままでも十分面白いんだけど、それはそれとして、ふと日本語吹き替えでも見たくなったのは、自分でも笑ってしまった。テレビの海外ドラマの吹き替えの声優さんたちの声が、耳にひびいてくるようでさ。

私はアメリカの中東派兵とかには、まったく賛成しちゃいないけど、でも、この華やかな世界の中で、ちゃんと戦場で戦っている人のことも入れてくる視点というのは、それはそれとして、とても好きだ。全体はウソみたいにハッピーエンドのオンパレードでありながら、そういう苦い現実もちゃんと伝えている。

どの話も夢物語のようで、実はけっこうリアルで嘘っぽくない。そして、最後のナレーションのように、つらい時代だからこそ、こういう楽しい話を作りましょうという、優しい哀しみと強い心意気が底にしっかり流れている。ボールドロップだっけ、あの、どってことなさすぎる、でも大イベントに命をかけてカリカリしながら、あくまでにっこり夢を売るクレアの姿は、そのまんま、この映画の製作者たちの精神なんだと思う。

何もかもがほんとにもう、ほれぼれするぐらい、うまい。エンターテインメントって、こんなもんなんだろうなと、しみじみ実感させられた。この映画のような存在に自分がなれれば、どんなにいいかと思うけど、まあむずかしいだろーなー(笑)。

◇キャラママさん。
「変死体」ちゃんと読み終わりましたよー! まあそれなりに、面白かったです。でもさ、主役のスカーペッタといい、「ハリー・ポッター」のハリーといい、敵よりも味方の、それも信頼できるはずの人たちから真実を隠されて傷つくってパターン、多い気がするんだけど、今はこういうのが最大の悲劇なのかしらん、現実にも多くあるのかしらん。

最初の方でスカーペッタが、軍事用の、戦場で死体回収するためのロボットの開発に、すごく抵抗するとこがあって、私は、えー、生身の兵士が回収に行くより、よっぽどマシなんじゃないの?と言いたくなってたんだけど、最後の方では私の意見も反映されてて、ちょっと気がすみました。あ、主筋とは全然関係ないことなんですけど(笑)。

Twitter Facebook
カツジ猫