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独裁者の食事

スガ首相の忘年会が、思ったよりもたたかれている。私は忘年会が好きじゃないけど、楽しみにしていたのにあきらめるしかなくて、むしゃくしゃしてた人はずいぶんいたんだろうなと、あらためて思う。

きっと誰も悪口を書かないだろうから、私が書こうと思っていたのに、批判が多くてスガ首相がもう反省までしてるんじゃ、今さらって気もするけど、私はこのニュースを最初に見たとき、呼ばれたメンツを見てもう何か脱力したのよね。

ステーキぐらい食ってもいいけど(と、やせがまんして見る。本当は私も久しぶりに食いに行きたいよ、ステーキ)、呼んでる客が王貞治会長とか、みのもんたとか、何を考えて呼んだのかさっぱりわからない。ほんとに、とことん、わからない。どういう忘年会なの、どういう趣旨なの、どういうセンスなの、まったく基準が見えない。

たとえば、ふだんいっしょに仕事して苦労してる秘書官とか副総理とか、そういう人たちと苦労をねぎらいあうって感じならわかるのよ、まだしも。
マスコミの大物とか経団連の親玉とか、そういう人を呼んで、懐柔と脅迫かたがたステーキ食おうとしたんなら、ものすごく腹立つし恐いけど、まあやりたいことや、めざしてることは見えるのよ。

でも、王貞治とみのもんた呼んで何話すのよ、何聞くのよ。私はこのお二人のどちらも別に嫌いじゃないけど、どっちかと言うと好きだけど、でも、コロナ対策や経済復興について役立つ話が聞ける人たちでもないでしょ、どう考えても。

これね、だから本当に、ぞくぞくするほど、おぞましいのよ。その感覚が。そのセンスが。有名人や人気者を集めて宴会しようって、もうそれ、田舎のヤクザか独裁者じゃないの。別の大臣は芸者さん呼んで宴会したらしくて、それも大概だけど、それと同じような発想でしょうが、この人選って。

まださ、どうせ冗談でおふざけで遊ぶんなら、好物とやらのホットケーキチェーン店のオーナーとか呼んで話聞くなら、同じくだらないでもわかるけど、ほんとに、行き当たりばったり、それなりの大物を選びましたって感じが、これまたやりきれないほど、手抜きの適当、恥ずかしいほど、カッコ悪くて、見てらんない。

今朝は、庭に出たら、ちらちらと白いものが舞っていた。初雪だった。すぐやんでしまったけど、一日中寒かった。
ちゃんと灯油を買ってきたけど、考えて見れば、片づけたい上の家は、足の踏み場もないぐらい紙や何かが散らかっているので、恐くてとてもストーブがつけられないんだった。どうしよう、と考えている内に、一日が終わってしまった。
よかろう、明日はリベンジだ。

花を買いに行ったお店で、黒猫ジュンガの兄弟の、もと「じゅんぺい」の話をした。こちらも、このお店のご紹介で、とてもよいお宅にもらわれて、大切にされて、いばって暮らしているらしい。子猫のときから、怖いもの知らずで、しかもクールで賢くて、これが人間の男性なら、完璧すぎて憎たらしくて、いっぺんひどい目に遭えと思うけど、絶対死ぬまでひどい目になんか遇わず、災難は皆よけて行くだろうみたいなタイプなんじゃないかと思うぐらいだった。

うちの、意地悪で性格の悪いおばあさん猫のグレイスに、ふうふう怒られて猫パンチをもらっても、きょとん、けろっとして、しれっと彼女のトイレを使い、ベッドで眠り、エサも食べて(自分のは全部、ちゃんとあるのに)、グレイスが顔負けして消耗していた、度胸のよさだった。
あんな男といっしょに暮らしたいなと思う一方、完璧すぎて私は絶対ぶち切れるだろうなとも思うような猫さんだった。

思い出すと、ちょっとだけなつかしくなったから、グレイスのエサをびくともせずに堂々と食べていた写真を紹介しておこう。トイレの横で、寝ている写真も。あのさ、猫に詳しい人なら、わかっていただけると思うけど、どっちの写真もひと様のなわばりにいて、飯を盗んでるやつの態度じゃないでしょ。毛先のはしまで、うちくつろいで、何の警戒もしていない。おまえは密林の王者か、ライオンキングのシンバかい。
なお、今はこの五倍ぐらいの大きさにはなってる模様。

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カツジ猫