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老後の人間関係

こんなの書いたら、あらゆる意味で2ちゃんねる用語で言うと地雷っていうのはわかってるんだけどさあ。
やっぱり誰でもそうなんじゃないかと思うけど、人とのつきあいっていうのも、それなりに終わらせて行くっていうのは晩年の課題ではある。

私は一人で死にたいし、葬式もできればしないでいいし、お別れ会みたいなものもしないでいいと思っている。前にも書いたけど、生き残ってるやつなんて皆私にとっては勝ち組で、くやしいから顔も見たくない。お別れ会なんかで集まって来たら、とっついて皆あの世に引っ張りこんでしまいたくなるかもしれないから、気をつけて(笑)。

私はおおむね、とても好きなように生きてきたし、それを許してくれた家族にも師弟にも友人知人にも、とても感謝している。不満なんて今思い返してもまったくない。逆にこっちが迷惑をかけたり傷つけたりしたことは、気づいてる分だけでも相当あるので、それはもうすみませんと言うしかない。

今、一番親しくしている友人にも考えてみると、もう二年ほど会っていないし、それ以外にも信頼できて気を許せて何でも話せて、時間さえ合えば会いたいと思う友人も何人かいるけど、おたがい忙しいので、これまた下手したら死ぬまで何回会えるかわからない。

心を許したご近所さんとかよく行く店の人とかにも、相談役やいろんなことで世話になっているし、社会的な活動をともにしている戦友みたいな人たちもいるけど、おたがいの個人的なことには避けてはいないけど触れないままでいるし、なんかもう、隣の山の仙人どうしみたいな関係で、それで十分満ち足りている。

基本的には私はとても気難しいし、わがままだ。他人に文句を言い出すときりがないので、大抵それを言わないで黙っているのが一番始末が悪い。
だから何かで縁を切られたり遠ざかられたりしたら、ああ自分でも気づかずに何かしたんだろうなあと思って、申し訳なく思うだけで、それ以上はもう何もしない。誤解されてることなんて、まずないと思っている。他人は多分私より私のことをよく知っている。それは私にとってはわりとどうでもいい部分だから、聞いて直そうとも思わないが、相手にとっては大切なことだったのだろうから、文句や不満はまるでない。

だから、人とつきあっていると、いつも相手を傷つけるだろうなと心配だ。たまたま何かで遠ざかると、これでもうその心配がなくなったと一安心するぐらいだ。もともと、赤の他人や、その時だけで二度と会わない人とでも、快適で幸福な関係を築ける世の中が私の理想なので、家族とか友人とか町内会とか国とかで、信頼できる安心できる関係を築こうという発想がない。そういう絆がなくっても、安心して生きて行ける世界であってほしいといつも思うから、そういうバリアを作りたくないし、縛られたくない。

もうちょっとリアルな話に戻すと、私は自分がもう多分、半分死んでるのじゃないかと思うことが最近よくある。少なくとも人間関係については深くも浅くも、これ以後増やすことはありそうにない。仕事や、いろんな関係で知り合う人は増えて行くし、たまに学生たちと遊ぶのもすごく楽しいが、個人的には私の残された時間は多分、読書と執筆と家事でいっぱいいっぱいだろう。病気や老化でもしようものなら、これに治療や療養の時間もかかる。

自分の身体と自分の家と自分の猫と自分の仕事。それだけの責任を果たしているだけで多分私の老後は終わる。その合間にちょこちょこ楽しい人間関係は生まれるだろうし、それは悪くないと思うけど、もう深い関係を築くことは時間的にも不可能だろう。それでいいと思っている。
おそらくどんなかすかでも、最後まで続くのは、研究にまつわる人間関係だけだろうが、それも死ぬ前の数年ぐらいはもうなくなっていてほしい。でも無理だろうな。仕事が終わりそうにないから。

私もいつぼけるか倒れるかわからないから、最低の後見人のようなものは作っておかなくてはならないだろうが、それは友人知人とは関係ないところでビジネスライクに作りたいし、それともいちかばちか作らないまま自分に賭けて、死後は野となれ山となれ、世間の苦労にまかせたい。まあもうちょっと身辺の整理がつけば、否応なしに迷惑をかけそうな親族と一度相談はしておくつもりではいる。

だからですねえ、サービス精神を発揮して、私の回りの人に通知しておきますと…。
もう、個人的な深い関係を私と持つのは、あきらめて下さい。そういう相手が必要ならば早く他を探した方がいいです。
気まぐれにたまに会う、気軽な関係ならば、お誘いいただければ時間が許せば、いくらでも乗ります。時間が許せば。断ることも多いでしょうが、他意はありません、本当に時間がないだけです。
自分がやっている仕事や家事に関してのおつきあいなら、断りません。ただし、私が今やっている仕事に限ります。もう新しい分野を開拓する余地は私にはありません。

超わがままなことを言いますと、軽いおつきあいや仕事のおつきあいなら問題ないですが、多少なりとも私自身に関心を持って、深くつきあいたいとお思いでしたら、少なくと、この「いたさかランド」の全文章に一応は目を通してからにしていただきたいです。普通の場合はまったく問題ないですけど、私が好きだ関心があるお話がしたいと言って時間をとっていろいろおしゃべりしていて、いろいろとっくに書いて公開もしていることにものすごく感心したり感動したりされたりすると、「あー、そんなこと、これまで死ぬほど文章に書いたのに、まったく読んでないのね、それで私に関心あるって? おととい来やがれこのバカ」ぐらいは思います(笑)。

私の書いたものを読むのはめんどうくさいから、私の話を聞く方が簡単でいいと思ってる人がもしいらしたら、悪いけど未来永劫その方は私と無縁の衆生ですので。もちろん文字や文章を読むのがだめな障害をお持ちのかたもおられるでしょうが、そういう方は、まず文章でコンタクトを取るような私と、わざわざおつきあいしなくても、もっといいお相手がきっといます。

私の書いたものをすべて読んで、できたらそれで私自身には関心を持たずに遠ざかって、どこかで私の書いたことを考えながら生きていて下さったら、その方は多分一番、この世で私に近い方です。会うことも知ることもなくても、私はその方が大好きです。多分誰より愛しています(笑)。

あら-、もうこんな時間。庭に水まくのも忘れていたわ。

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カツジ猫