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今日まで参院選

元首相の死がどのような影響を与えるかはわからないが、それまでのこの選挙の争点は物価高への対応だと、おおかたの報道が告げていた。憲法を変えてほしいという要求は選挙民の中でもわずかだったし、大きな争点ではなかったと記憶する。

しかし、これまでのことをふり返っても、こうやって正面から訴えるのではなく、むしろ争点になりそうな目標はかくして、選挙で勝利したとたん、「すべてが認められた」ということにして、改憲をおしすすめるのが政府の手法だったから、今回もそうなる可能性は高い。

そして特に今回危険なのは、おそらく改憲といっても現政権が一番めざしているのは、「緊急事態条項」を成立させようとしているだろう、ということだ。

字面はここ数年見慣れている「緊急事態宣言」と似ているので、それに似たものだろうと思ってしまう人が多そうだが、この二つはまったくちがう
「緊急事態条項」とは、政府が緊急事態と判断すれば、首相が大きな権限を持ち、個人や組織や各機関に何でも請求要求できる事実上の独裁体制を作りかねない法律だ。これが成立したら支配者、指導者は恐いものなしだ。

例によって、その中味も充分に示さないまま、災害時に速やかな対応や決定をするために、これが必要と政府は力説している。そう言われると人々も納得しそうになる。だが、災害その他の緊急事態には、現在の法律でも充分に対応できると、言われている。少なくとも、その検討さえ充分にされていないまま、一気に現政権に全権限を与えようとするこの「緊急事態条項」を作らせる危険を私たちは全力で回避し、阻止しなくてはならない。与党が圧倒的勝利を収めれば、それを作るお墨付きを私たちが与えたことになる。

よくわからないから、もう少し考えさせて、と思う人ほど、自公維新に反対する票を投じるべきだろう。この政権の強行と暴走をくいとめるには、それしか方法がないのだ。

だいたい、災害時の敏速な対応のためとかいうが、これまで何度も災害で被害が出つつある時に身内で宴会開いていたような人たちが、そんなこと言っても、全然説得力があるまい。

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カツジ猫