物語を!(2)
菅新総裁の会見をちらっと車のテレビで見たら、情報社会の強化をしたいからマイナンバーカードを普及させると言っていた。一瞬しか見ていないのに、それでも気に食わんことしか言わない才能はすごいと思う。
さて、昨日の話を続ける。むなかた九条の会で私がしゃべったこと。
「ワイドショーでは、安倍政権の功績は外交と経済ということに、まとまらせようとしている。民主党政権やそれ以前の自民党政権とちがって、気に入らない発言するメディアや人間を徹底的に鵜の目鷹の目でつぶして来た政権だから、こんな雑で嘘っぱちのまとめ方でも誰一人クレームもつけない。私は首相とちがって給料もらってるわけじゃないから、そんなにこまめにニュースをチェックしてもいないが、その私でさえ、首相の外交と思っただけで、ろくなことはひとつも浮かんで来ない。誰かいるんですか、何か浮かぶ人が?」
つけ加えときます。首相は、国内の問題が、それも自分の身辺が危うい問題が煮詰まって来ると、いつも海外に逃げて、外国の首脳に一応ちやほやされることで息抜きして精神状態を保って来た。その意味では、コロナでよそに逃げ出せなくなり、別荘にゴルフにも行けなくなった(行こうとしたけどさすがに側近にとめられたらしいよ)のが、一番の病状悪化の原因じゃないのか? 外交なんてあの人にとっては、ただのストレス治療のための気晴らし旅行以外の何物でもないですよ。ぼやっとでも見ていたら、誰でもそのくらいわかるだろうに。
「プーチンには北方四島を多分永遠に取り上げられ、トランプには武器を売りつけられまくった。しかし私が一番許せないのは朝鮮民主主義人民共和国いわゆる北朝鮮への対応だ。外遊で気分転換するのとセットで、こいつはいろんな問題が行き詰まったら、北朝鮮のミサイル問題を持ち出して、アラートとか迎撃とか大騒ぎして国民の目をそらしまくるのに、北朝鮮をのべつまくなし使い倒した。皆を田んぼのあぜ道にしゃがませて警戒態勢を取らせる茶番劇まで何度もやった。そうやって、北朝鮮を恐ろしい敵と宣伝することで、国内の批判を抑え込むという、それこそ北朝鮮がしているといつも言われる手法を愛用した」
「拉致問題に取り組んだことを最初は売りにしていたようだが、自分の政策その他が行き詰まってせっぱつまったら、そんなことはなりふりかまわず全部かなぐり捨てて、北朝鮮を悪役に仕立てて、自分の責任逃れに利用しまくった。その結果、北朝鮮との関係は悪化し、韓国やアメリカと北朝鮮が融和しはじめて、朝鮮半島の平和が築かれそうになった時には、完全に蚊帳の外に置かれて、まったく発言や交渉の機会もなかった。
本来なら、日本こそが東アジアの和解や融和の中心になって活動すべきではなかったか。おっちょこちょいのトランプが金正恩委員長と無二の親友みたいな発言をしているのを、指をくわえて見ているしかなかったのは誰だ。外交の安倍が、ちゃんちゃらおかしい。へそが茶をわかすとは、このことだ」
「めぐみさんのご両親をはじめとした、拉致被害者のことを真剣に考えるなら、自分が何かできる立場の指導者なら、ふつうの心を持つ人間なら、たとえ北朝鮮がどんなに危険と思っても、その警戒はひそかにして、国民にも敵愾心はあおらないで、あの国を刺激しないように最大限の注意を払って、いい関係を築こうとするはずだ。そうやって韓国や米国との和平に一役買って、好感を持たれ、せいぜい恩を売って拉致問題の解決の糸口を必死になってさがすだろう。そんな甘いものではないというアホに言っておくが、危険な相手に人質をとられていたら、慎重に裏表を使い分け、アメとムチをちらつかせながら、基本はあくまで誠意を見せて信頼をかちとるぐらいの芸当ができないようでどうする。そんなことを考えもつけないようなのを、世間知らずの甘ちゃんと言うのだ、覚えとけ」
「単に能力不足の失敗なら、まだ許せる。この首相の頭にははじめから、北朝鮮は自分の悪事の数々のかくれみのにする以外の発想はなかった。頭も悪いが、その前に心がない。国も事件も悲劇も危機も、この男の頭には、自分の利害のものさししか計測基準がなく、そういう基準でしか測れないし見られない。志とか愛とか理想とか、そういうものが何もない」
「私は、こんな男に改憲をさせなかったのも、自分で自分をほめてやりたい。だが、それと同じくらい、この男の政権下で、自衛隊員が一人も死なずにすんだのを、心の底から喜びたい。きちんとした議論もしないまま、例によって、ごまかしの裏口入学的手口で既成事実を作ろうとして、雑な強行突破で、貴重な自衛隊員の命を、この男は惜しげもなく海外に送って危険にさらした。
北朝鮮や拉致被害者に対する態度を見ていても容易に見当がつくが、万一海外で自衛隊員に犠牲者が出たら、その死をどう利用しまくったか、思うだけでも慄然とする。利用されたマスメディアがそれをどれほどの茶番劇に仕立て上げたか、リベラル勢力はきちんと対応できないまま見守るしかなかったか、想像するほど寒気がして来る。その死が、どれだけ冒涜され、汚されたかと思うと、そうならなくてよかったと、コロナにすらも感謝したくなる」
はあ、やっぱり終わりません止まりません。こんなことにあまり時間を費やしたくはないので、今日はここまで。明日には何とか終わらせます…多分。(つづく)