「水の王子」通信(11)
人物紹介、ひきつづき。
あのー、これ書いててマジで一番苦になるのは、一人書くたびに、ちゃらいイラスト描きたくなってしまうってことなんですよ。描けるわけないのに。描く気ないのに。下手なのに。(結局あとで全部描きました。)
もしかしたら、他の人もそうで、上手な人だったら思わず描いてしまったりするのかな。そういう気持ちになっていただけるとしたら、ひょっとして、この紹介文は成功してるのかな、なんて変な自己満足で自分を慰めたりしてます。たっ、たっ、多分、それって幻想なんでしょうけど(笑)。
タカマガハラ
イザナギ
イザナミの夫。タカマガハラから地上に下りて、妻とともにたくさんの子どもを生み育て、多くの町や村を作った。しかし最後の子ども「火の王子」を生んだ後イザナミが死んでヨモツクニの女王になってからは妻と敵対し、今はタカマガハラに戻ってそこの支配者となっている。最近はめったに人前に姿をあらわすこともないが、その権力にゆらぎはない。
タカギノカミ、タカミムスビ
タカマガハラの長老たち。イザナギはあまり表に出なくなった今、タカマガハラの管理運営は彼らが行っている。
アマテラス
イザナミの死後のイザナギの子どもの一人。ツクヨミやスサノオの姉にあたる。大柄で美しいすぐれた戦士であるだけでなく、おおらかで大胆、情け深くて賢い。草原で会ったハヤオに、自分とタカマガハラを忘れるなと言い、それが守れなかったハヤオを都の地下で待ちつづけ、無惨な死をとげる。
アメノウズメ(ウズメ)
アマテラスの忠実な部下にして、気のおけない友人。小柄で丸っこく、元気のいい、よくしゃべる少女で、服装も髪型も化粧もけばけばしくけたたましいが、それで油断してなめているとえらいことになる。すべての生き物の本質を見抜き姿をあらわにする光を放つ鏡という最強の武器を気軽に持ち歩き、アマテラスの死後も彼女の復活を信じている。村では少し老けておばさんっぽくなっているが、元気のよさはあいかわらずで、しっかり回りにとけこんでもいる。
アメノサグメ(サグメ)
アマテラスをライバル視している、ややひねくれた女戦士。ヨモツクニとの戦いで大きな傷をいくつも負い、身体もみにくくゆがんでいるが、それでも戦闘能力はアマテラスなみに高く、ヨモツクニにもひけをとらない悪がしこさや残酷さも持つ。その一方でヨモツクニへの憎悪もすさまじく、それにつながる者は容赦せず弱者や愚かな人間はためらいもなく切り捨てる。タカマガハラの最近の新しい傾向もよく思ってはおらず、今はタカマガハラをはなれて村に一人で住んでいる。家が広いせいもあって、ワカヒコやニニギ、他の若者や子どもたちともしばしば共同生活をしており、辛辣でぶっきらぼうなのに、若者たちと案外交流があるのも意外な一面かもしれない。
アメノワカヒコ(ワカヒコ)
アマテラスなき後のタカマガハラの最強の戦士、軍の指揮官としての人望も高かった。イザナギの次の支配者と評価されてもいた。しかしそんな評判と裏腹に、長身だが細身できゃしゃで軽やかな、ちょっと風変わりな雰囲気の美貌で、涼やかで甘やかで人なつっこく遊び人風なのに、力や武器の扱いや指揮能力は最高で、優等生すぎて時々常識はずれなこともする、要するに何だかよくわからないところが、村の娘たちには大変な魅力となっている。村をさぐるよう任務を与えられて派遣されたのだが、まだ報告がまとまらないと言って平気で何年も滞在しているのも、深遠な計画とか言うよりも、ただ単に育ちの良さと自信のせいなのだろう。美しい女性にはあまり関心がないようで、サグメとかトヨタマヒメとかイワナガヒメとか、一風変った女性たちと親しい。トヨタマヒメとは特に仲がよく、周囲からは恋人どうしと認められている。
ニニギ
アメノワカヒコがさっぱり報告をよこさないので、調査を命じられてタカマガハラから派遣された。ワカヒコとちがって一応まじめに報告はあげているが、仕事はあんまりはかどっていない。正統派の美青年でまじめな仕事人間で常識家で、そのわりに(そのせいか?)空気が読めない。予想通りで意外性のない行動や発言に徹してしまうのが退屈でもあり面白くもある。もちろんタカマガハラのエリートとしての高い能力や素質はばっちりだし、善意と素朴さが生み出す清らかな歌声はタカマガハラの精神をいつも人々に思い出させる。
キギス
かつては都にいた少女で、スセリの友人でもあった。青白い小柄な太った、身体のあちこちに黒い羽が生えている異形の少女で、優しくて人を傷つけることができず、皆からバカにされていた。その身体と心は都でさまざまな治療を受けても変わることはなく、やがて都を去った後、ふしぎな力の持ち主としてアマテラスやアメノワカヒコがいないタカマガハラを守って大きな役割を果たすようになる。
アメノトリフネ(トリフネ)
タカマガハラの空飛ぶ白い船は大小いくつもあるが、その最高の操り手として昔から活躍している。大人しく気の弱そうな若者で、今は少し老けているが、見た目も中味もほぼそのままで昔と変わってはいない。
タケミカヅチ
タカマガハラの戦士の一人。たくましく力が強く、今は戦いのときの中心勢力。
タカヒコ
タカマガハラの若い医師。戦士としても有能で、新世代を代表する一人。まじめで無邪気で、素直でみずみずしい。タカマガハラに忠誠を誓う一方、空から見下ろすナカツクニの村にも興味を抱き、魅せられている。同年代ながら自分よりはるかにすぐれたアメノワカヒコと外見が似ていて、彼のような複雑さやしたたかさはないのに、皆にまちがわれたりからかわれたりするのが悩みのひとつ。
タカヒメ
タカヒコの妹。兄を尊敬し愛しているが、兄以上の決断力や強さも持っている。上層部への批判も自分でも気にせず平気で口にする、のびやかさや明るさもある。タカマガハラや村への愛も、戦闘能力も兄に劣らぬ頼もしく若々しい新世代。
写真は私が玄関前においている、何だかサグメっぽいウサギっす。