「水の王子」通信(83)
この絵、なーんとなく、恐いでしょ?(笑)
スサノオに代わって今はネノクニの都を支配しているかもしれない、タキツ、タキリ、サヨリの三人です。
恐れ多くも日本神話などでは、私の住む福岡県は宗像市の宗像大社の三女神。一応初詣のときには「水の王子」を完成させてくださいとお願いもしていたから、今年というか来年はしっかりお礼詣でをしなくては。
その一方で女人禁制の沖ノ島をその情報もかくしっぱなしで、ろくに討論もしないまま世界遺産にしたという、昨今の自公政権かというような市の行政にずっと私は抗議しつづけてるので、そこも何とかうまく解決できますようにというお願いも毎回やってます。そういう緊張関係もありますが、やはりこの物語の完成はお三方が助けて下さったのだと思うことにしています。
私の物語の中のいつもながら恐れ多い設定では、三人はスセリの姉です。そして、都に染まらない、生きられない人たちを治療したり殺したりする、どこかの国の秘密警察だか精神病院だかみたいな粛清や闇の部分を担当しています。
だけど、スターリンのソ連やナチスドイツに限らず、こういった存在はどんな国にもいつの時代にも、常に存在はすると思うんですよ、何らかのかたちで。それこそ最も良心的で民主主義の国だって、それがないとやって行けません。もちろん今の日本でも。別にカルト宗教じゃなくっても、あらゆる宗教や思想はもちろん、またそういうものを持たないという人たち(考えようでは一番恐い。自分は中立、無色、何も信じてないとかいう人が、私は一番気持ちが悪いし、信用できない。だって、そんな人たちは自分でも気づかずに、そのへんで何か拾ったものをつぎはぎ細工で、とりとめなく信じてるだけで、決して中立でも無色でもないんだから。人間に周囲や時代の影響を何も受けずに生きてることなんてできるわけない。それを自覚してないやつが、一番危険でろくでもない)の中でもそう。
そもそも学校だって病院だって、基本的には皆そうでしょう。
タキリ、タキツ、サヨリは、この物語の中ではそういう存在です。彼女たちは善意だし、能力も高い。激務で疲れたり、冷たさも残酷さもあるけど、優しくて仕事熱心でもある。全国の医療従事者や学校教員の鑑かもしれない(笑)。
そして、どうも彼女たちは、ときどき一人か二人ずつ、入れ替わって行ってるふしもある。妹のスセリでさえ「誰かがいなくなってるような気がするけど、一人ずつ見て行くと誰が替わったのかわからない」(第四部「都には」)で言ってるぐらいです。これもまた学校や病院と同じです。
彼女たちに深く関わったのは、キギス、アマテラス、タカヒコネ、あ、ヒルコもかな。
そして、同じ医療関係で、ヌナカワヒメが昔仕えたお妃ともつながりがあって、薬やその他を通しては、村やオオクニヌシともどこかでつながるかもしれません。
彼女たちが今後、ネノクニの都をどうして行くのかは、草原全体、地上全体、ヨモツクニやタカマガハラを含めた世界全体の運命をも左右するでしょう。
いやー、そんなに重要人物だったのか、と書いてて自分で驚いています(笑笑笑)。