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「水の王子」通信(96)

これは「第二部・草原を」で登場する(死体の場合もあるけど)、草原でヤマタノオロチの切られた首を保管していた人たちの群像。もちろん日本神話にはない設定で、名前だけを適当に(すみません)借りています。老夫婦のテナヅチとアシナヅチは神話ではクシナダヒメの両親ですけど、私の物語ではその設定はない。まあ、ヤマタノオロチがらみの登場人物ではありますが。

前列左から、アメノオシホミミ、オオカムヅミ、イクツヒコネ、アマツヒコネ、クマノクスビ。後列左からアシナヅチ、テナヅチ、アメノホヒノ。後ろにあるのはホヒノの砂の塔と、よみがえりつつあるヤマタノオロチ。

私の物語では彼らは皆、無名で無力で平凡な人たちです。しかし、世界が大変な苦労で葬り去った、決してよみがえらせてはならないものを、誰にも知られず評価もされず、あちこちでしっかり守って復活させないようにして、現在と未来を支えているのは、きっとこういう人たちで、私たちもその一人かもしれないと私はいつも思うのです。

そういう意味では、今まさに、いやいつもかもしれませんが、このような人たちが次々に倒れて、よみがえってはならないものがよみがえりつつあるような恐怖をいつも感じています。まあそれも、この数十年間の長きにわたっていますけれど。

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カツジ猫