1. TOP
  2. 岬のたき火
  3. ミーハー精神
  4. 「水の王子」通信(97)

「水の王子」通信(97)

タカマガハラには、空飛ぶ船が大小さまざまあることに、私の物語ではなっていて、戦闘用にももちろん使われる巨大なものもあります。その操縦をする一番の舵手がアメノトリフネということになってます。「村に」ではちらとしか出ませんが、「第二部・草原を」のラストでは、そこそこ活躍しています。

その時は彼はまだ若くて、操縦の腕は抜群だけど心優しい青年で、ヤマタノオロチにもちょっと同情してしまって、アマテラスに成敗されかけるようなデリケートさもありました。いまでは少し年をとって、優しい中年になっています。日本神話でもめだった活躍はしませんが、船の操り手としてちゃんと登場しています。

ギリシャ神話のヘルメス(マーキュリー)もそうですが、交通や移動を司る神は、魅力的で軽やかな反面、ちょっと他と距離があったり、さめてたり、独自の行動をしそうな面があります。そのような軽やかさと頼りなさと、視点の広さとを何となく私は彼に重ねているのかもしれません。どことなく、山上に住んで鳥たちと仲がいいコトシロヌシとは気があったのではないかとも思っています。

Twitter Facebook
カツジ猫