続・ファンって優しい
プロ野球の日ハムとホークスの首位争い三連戦はホークスの二勝一敗に終わったようだ。先日ここで紹介した日ハムの達孝太投手が、くやしがって「今度はボコボコにしてやる」とか言ったコメントが荒っぽすぎると批判されたり(そのくらいいいんじゃないかと思ったけど)、対するホークスのダウンズ選手のコメントが節度があって立派とほめられたりしている。最近は皆こういうことにやかましいよなあ。そんなに言葉づかいをあれこれ言うなら、まずはアスリートもタレントも、いい歳をした大人が「お父さん、お母さん」と連発するのはやめろ、と私の友人なら怒るだろう(笑)。
成績は絶好調、体調は絶不調らしいホークスの周東佑京選手を「休ませろ、試合に出すな」とファンがこぞって嘆願していたのは、ちょっと珍しかった。「まだシーズンの先は長いから、今はチームは少々負けてもいいから、監督は無理をさせないでくれ」と、これだけ言われる選手というのも頼もしいのか頼りないのか、よくわからない(笑)。
結局しばらくベンチで待機ということらしいが、私は漠然と、自爆してもこの選手は試合に出る気じゃないのかと思っていたから、少し意外だった。ずっと昔、インタビューに答えて、大学時代に肉体改造しようと生卵を飲みすぎて身体をこわし、日焼けサロンに通って火傷をしたとかいう話を読んだのが印象に残っていて、とことん行くところまで行ってどうなるか確認しないとやめない人なんだろうなという印象があったからだ。
満身創痍と皆に言われる状態で、それでも試合に出たがるのは、チームのためとか責任感とかももちろんあるだろうが、それ以外にこの人は、自分の身体でとことん限界を試してみなければ気がすまない、冒険心か探究心かのようなのがあって、シャーロック・ホームズが「珍しい毒薬があったら、自分で効果を試して見るぐらい平気」と言われたのと似た、マッドサイエンティストと紙一重の精神がどこかにありそうでアスリートとしてはやや異色な印象を受ける。最近は自分ひとりではなくチームやリーグ全体のことまで視野に入れてる気配もあって、ますます忙しくなって、そういう点での自分の管理にも、また集中していそうだ。
こんなのは全部私の妄想で錯覚かもしれないが、とにかく大変いい意味で、何を考えているか計画しているか、予断を許さない人すぎて、最近ちょこちょこ珍しくエラーをするのも、疲れや暑さや痛みやその他のせいかもしれないが、もしかしたら誰にもまだ思いつけない一段階高い次元の、新しい守備や捕球や送球の研究をしようとあれこれ挑戦してるのではあるまいかと、つい疑ってしまうのは、いくら何でもさすがに買いかぶりでしょうかね。
…などと、のんきすぎる無駄話をしていたら、ホークスは苦手の楽天に勝ち、日ハムは九回裏にオリックスの頓宮選手にサヨナラホームランを打たれて負けて、ゲーム差は1に開いた。まあ、まだ先は長いし、どうなるかはわからない。
試合はペイペイドームで行われていたが、近藤選手の打球がラインすれすれでファウルになってしまったので、ホークスファンがラインに怒って、「もうラインうどんにしてやろうか」と書き込んでいた。ラインかわいそう(笑)。結局その近藤選手のホームランなどもあって、上沢投手が勝利し、二人でお立ち台で楽しそうにしていた。
日ハムの方は飛行機が遅れたりして不運だったみたいだし、新庄監督が投手の継投をさせなかったことをファンは怒っているようだけど、さっきニュースでチラ見したら、あれは完投させたくなるのが当然だよなあ。それまでまったく危なげがなかったんだもの。
