断捨離新世紀(18)父の日のディスプレイ
数年前から、道から見える窓辺に、季節のイベントグッズをディスプレイする癖がついていて、この忙しい中、やめようと思いつつ、やめられないでいる。
ところで、六月にはこれといったイベントがない。せいぜい父の日だが、さすがに飾るものがない。
これだけ雑多なものが氾濫する家の中だから、たいがいのものは見つかるのだが、そもそも父親や男性を想起させる置物がないのよね。祖父の石膏像があるけど、大きすぎるし、いつからあるのかわからない古いものだから、破損でもしたら恐ろしすぎる。今は仏間にしている小部屋の窓辺に安置(笑)している。
ネットでそれらしいぬいぐるみでもないかとあたってみたが、幸いな?ことに見つからなかった。あれこれと家の中を物色していたら、これまた、田舎の古い家にでもあったのか、木彫りの布袋さんの置物が見つかった。
でも、この布袋さん、足先が欠けている。大きく上げた手の方が欠損しそうなのに、それはまったく無事なのだが。捨てるのは恐れ多く、ひょうきんなポーズと笑顔も気に入って、仏間の曾祖母の遺影の前にずっと置いてやっていた。
いつか、足先を補修できたらいいなと思いつつ、その方法もわからないまま、時が過ぎていた。
これでも飾るかと思いつつ、せっかくだから、人形用か小型犬用の長靴でもはかせてみようかと、またろくでもないことを思いついて、近くの店やネットをあたってみたが、これというものはない。いちかばちかで買ってみて、合わなかったら、これこそ使い道がないから、もったいなさすぎる。
で、自作しちゃれと、フェルトではきものを作って見た。私は手芸なんてしたことなく、ボタン付けさえろくにできない。それでも最初は長靴でもできないかと挑戦したが、無謀すぎた。で、あきらめてスリッパにした。針目のむちゃくちゃぶりからも、私の腕前はわかるだろう。
欠けた足先には余ったフェルトの切れ端をつめ、はかせてみたら、案外さまになって、ちゃんと安定した。
いい気になって、前に買ってた、小さいおじいさんとおばあさんらしい人形と並べて、黄色いバラやひまわりの手ぬぐいやリースといっしょに窓辺に飾っている。しっかしさあ、これ、父の日のディスプレイと、見てわかる人、いるのかしらね。(2024.5.28。)