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「プレシャス」感想。

えー、変な話から始めるが…。
女性が女性を好きになるのって(男性が男性を好きになるのもだが)、きれい、かわいい、カッコいい、と思うにしても、抱きたい、寝たい、という、つまり異性の目で見てる時と、自分がそうなったらいいな、こういうのをめざしたいな、と思うのと、多分両方がからむのだと思う。
あ、女性が男性を好きになる時も(男性が女性を好きになる時も)、ひょっとしてそうか。私は、どっちかというと、男性を見ても女性を見ても、抱きたいと思うのとなりたいと思うのとが両方で、それも男性の場合の方が、抱きたいもなりたいも多い気がする。少なくとも高校生のころまで、うーん、こういう人になりたい、こういう生き方をしたいと思う対象は、ほとんど男性しかいなかった。
私の場合、こういうことを考える対象はほとんど架空の存在(小説、映画、漫画など)なので、そういう中には私がさしあたり生き方のモデルや目標にする女性が皆無に近かったというのもある。性格とか外見とかいう以前に、冒険はしないし仕事もしないし、何の参考にもならないのだ、女性の登場人物は。

そんなことあらためて考えたのは、「プレシャス」見て、主人公のデブでみっともない女の子見た時、すっごくなつかしくて、大好きで、よく考えたら、これって高校生のときの私の理想のタイプだったんだよね。自分がなりたいって思う。

また、じゅうばこのあまのじゃくが、奇をてらってからに、と言う人もいるだろうが、ほんとにそうです。てっとりばやくは、ここにリンクしている「旧板坂耀子研究室」サイトの「鳩時計文庫」コーナーの小説「細菌群」をななめ読みというか、のぞいて下さい。そこに出てくる波勢真砂子という女の子は、高校時代の私がモデルです。というか、めざしてた姿でした。
この小説読んだ人から、この少女は怪物のような魅力があるとか言われたこともありますが、私としては、彼女はまっとうで、愉快で、立派な普通の少女と思っていました。第一、私がそうでしたから(笑)。

実際、私はプレシャス(映画のタイトルと同じ名の主人公)ほどでかくはないけど、体型や顔やたたずまいは、だいたいあんなもんでした。小ぶりなプレシャスと言ってもいい。
多分、私の人生の中で、その時の私が一番魅力的でした。多分、一番人気もあった(笑)。
その後、大学に行き、社会人になるにつれて、次第に体重も減って平凡な外見になってきて、そこで今度はめざしたのが「ローラーガールズ・ダイアリー」の主人公みたいな、どこにいてもめだたない、なめられやすい、自信なさそうな女の子でした。

私にとって、外見や雰囲気はどーせ甲羅や洋服みたいなもので、中身をかくしてごまかすものでしかないので、そう真剣に追求するもんではなく、むしろいつも中身とはびみょーにずれて、自分を見抜かせない、相手を混乱させることを目標にしていたので、しょせんは遊びで、いたずらでした。真剣にみがいていたのは、いつも人に見せない中身で、見せないからこそ、限りなく立派にしておかないといけないと思っていました。それは能力のこともありましたが、むしろ、精神のありようのようなもので、あー、そういえば最近とんとみがいてないなあ(笑)。

どうせ長くなりそうだから、ちょっと切ります。

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カツジ猫