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「ベン・ハー」を見て。

「午前10時の映画祭」の「ベン・ハー」がこのへんでは今日が最終日だったので、「グラディエーター」にはまって買ったローマ風なジャンパースカートを着て、青いガラスの十字架のペンダントをさげて出かけました。ほとんどコスプレやんけ。

いっしょに行った友だちが「これって、こんなにキリスト教の宣伝映画だった?」と言ったほど、今見るとまっとうでメッセージ性が強いですね。力強い、荒削りな時代だったなあと感じます。
主役のヘストンはじめ役者の演技も、型どおりで大芝居で大味なんですが、それが逆に、映画のスケールにしっくりはまって素直に感動させるんですよねー。

戦車競技も見事ですけど、それがかすむほど、ドラマが堂々としてる。
私は昔、最初に見たとき、原作との差があれこれ気になって集中できなかったとこがあるんですが、今では映画として独自に見ると、実によくできてる脚本で、各人のすること言うこと考えることが、皆それぞれに、ぬきさしならず、やむをえなくて、無理がない。だから素直に感情移入できる。「そらーそーやろーなー」「まーそうなるわなー」と深くうなずいてしまえるのが、とてもいい。

ベン・ハーと仇役メッサラの間には同性愛的感情があるって設定で、それをヘストンは知らなかったけど、メッサラのスティブン・ボイドは教えられていたって話を読んだことがあるんですが、その真偽のほどはともかく、この当時の映画って、「大脱走」のダニーとウィリーもだけど、平気でしれーっとそういう感じの描写をしてるんですね。
メッサラの副官(?)のドルスス(この人、原作にも出ますけど)なんて、あれもう明らかにメッサラの恋人だろ。することなすこと、どう考えても。
友だちにそう言ったら、賛成して「あの副官、態度でかいもんなー。他の場面はともかく、プールのそばで二人でワイン飲んで、本読んでるのなんか、単なる部下では絶対ありえんやろ」と言ってました。
でも、あのとき、メッサラは鞭でドルススの前のグラスをひっかけてとるけど、あれ自分でやってますよね。すごい、練習したんだろうな。

明日からは「アラビアのロレンス」です。これも見なくっちゃ。

キャラママさん。
かぶとむし、いいですね!一度見に行きたい。

ゆきうさぎさん。
最近の終末物の映画いろいろ見てても、そのことはよく感じますね。世界がほろびる時、ロケットや宇宙船やなんかに、どうやってのりこめるか、何に救いを見いだすのか。
ああいうの見てるだけでも、軍隊が救ったり守ったりできるのって、せいぜいが「国体(国民体育大会ではない)」程度で、国民全体なんかどうやっても救えるはずないじゃん、とわかりますよね。
軍隊は国民のためのもんじゃないんですよ。国民が、国家がないと困るから(困らんという人も意見も選択もあるけど、さしあたり)国家を守るために持ってるもので、それを自分を守るためにつかっちゃいかんだろ。いいかえれば、いざって時には、自分は滅びても家族も滅びても、軍隊にそれさえ守って残してもらえたら満足、という国家を、ふだんから作っておかなくちゃいかんだろ。そのへんがねー、ちゃんと整理できてないと、いつも思うんだよなー。

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カツジ猫