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「ボヘミアン・ラプソディ」見てきました

そろそろ上映が終わるかもしれないので、「ボヘミアン・ラプソディ」の映画を見て来ました。
連休だからか、けっこう満員で、その割に真ん中正面のいい席が空いていて、快適に鑑賞できました。ただ、お隣の若いカップルがうるさいの何のって、ほとんどテレビ見てるノリでしゃべりまくってました。特に男性の方が。

まあ人気がある映画だから、こういう人も来るんだろうし、誰もいない劇場で一人で観るよりましかと思って放っておいたのですが、最後の最後のスタッフロールのとこで、まだしゃべりたくってるので、「ごめんねー、静かにして下さいます?」と声をかけたら、「あ」と言ってさすがに黙りました。遅いっちゅうのだよ私もな。

予告編の映画がどれもこれも面白そうで、しばらくまた映画館通いしようかな。ささっと行って帰ってくれば、そんなに時間は取らないし。

感想? そりゃもう、よく出来てたし、楽しみました。あのね、筋というか内容は、王道で普通で、万人向きで、予想がついて、意外なところはまるでないし、ショックを受ける新しさはないのよ。だからこそ、これだけ人気が出たんでしょうね。安心して感動できるし、最後まで見てられるし、後味も悪くないし。

だから、下手な監督と俳優と制作陣が貧弱な予算で取り組んだら、ただもう、目もあてられない映画になるでしょうね。しかし、そこはもう、金をかけてるし、技術も一流だし、手は抜いてないし、俳優はうまいし、何より音楽が圧倒的。
私は音楽には詳しくないので、その素晴らしさがどこまで題材になったバンド「クイーン」の素晴らしさなのかは、正直言ってわからないのですが、それはもちろん、どっちでもいいわけで、どっちにしたってすごい映画だと思います。

昔、劇団四季の舞台で「コーラス・ライン」を見て大好きだったのですが(映画化されたけど、映画は筋というか設定が変えてあって、だめでした)、最後のクライマックスで、ヒロインが数分間一人で踊りまくる圧巻の場面があって、でもそこで舞台を見ながら、「ああ、ここは、ものすごーく上手な最高の踊り、と思って見なくてはいけないんだな」と脳内変換しなきゃいけないわけですよ。当時の日本の俳優さんとしては、そこまではうまくないもんだから。

そういう置き換えを頭や心で、まったくしないですんだのは、さすがというか、すごいというか、助かるというか、安心というか。

あとは順不同の無駄話。

バンドのメンバーの中で調整役の大人役みたいなブライアンを見ながら、「あー、この人(実物)が辺野古の埋め立て反対の署名を呼びかけてくれた人ね」と思わず感謝してしまいそうになる。

そして、それにつけても首相はこの映画見て、よかったとか何とか言ってたようだけど、いったいどこに共感感動したんだろう。
だいたい私が政治的社会的行動をしているってのも、そういうとこで自分なりに信念持って、いいと思ったことしてないと、さまざまな文学や芸術のあらかたに感情移入も感動もできなくなるってのが、わりと一番大きな理由なんだけど、首相は今自分がしていることと、こういう映画の中で訴えられていることと、どこでどうして折り合いつけて鑑賞しているんだろ。不思議でならない。

(以下ネタばれ?)昔、ハリウッドの女優さんが、ほぼ皆ヒステリックに睡眠薬中毒とかになって人格破綻して行ってたのを、今の「me too」とかで暴かれる実態を知ると、まあそりゃそうだろうなあと納得行く思いがする。
でも、日本の芸能人とか、ハリウッドの俳優とかが、そこそこ麻薬にはまるのも、そりゃこれだけのストレスがあって、人気があるだけそれが重くなるのなら、当然かもしれないなあと感じる。

特にバンドとか、そういう仲間との絆が、支えにもなるし、またしがらみも生むのだなあと思うと、最近のSMAPとか嵐とかをめぐる、いろんな話もまた思い出してしまう。野球チームだって、これだけ人気商売になると、その要素があるような。

女性と同様、ゲイの男性にとっても、ストレスが大きい芸能界だろうが、もし、いっそ昔だったら、フレッドはゲイをかくすか気づかないままで、ローラと結婚し子供も出来て、偽りなりに安定と充実と慰めを得たかもしれない。なまじ、ゲイも認められだした過渡期で、真実の生き方をする選択肢があるだけ、苦しいってこともあったんじゃないか。

それから、いかにも現代なのは、もう歌とか音楽とか、声や演奏だけではないんだなということ。機器を使って芸術を生み出す時代になっているのが伝わって来て、これもまたすごい。文系理系の区別なんて、ますますなくなりつある。

そんなことを、あれこれ思いながら、見ていました。

そうそう、フレッドは猫好きで、猫がのそのそ何匹も出てくるのが楽しい。
私も今から、お留守番をしていたカツジ猫に、ちゅーるをやって、自分もごはんを食べます。

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カツジ猫