あきの、ぼく(カツジ猫)
みなさん、おはようございます
あきになって、ぼくのけは、またすこし、くろっぽくなりました。
なつには、うすくなって、きえかけていた、うずまきもようも、ふっかつしました。
かいぬしは、「はやくぶらしをかけないと、おまえは、おけしょうのときに、
けを、のみこんで、おなかにたまるかもね」と、しんぱいしています。
ぼくは、よるは、かいぬしのそばのいすで、ねていますが、
かいぬしが、べっどにいくと、とびおりて、そばにいって、
かいぬしに、くっついてねます。
でも、かいぬしは、てれびをみたり、ほんをよんだりしていて、
なかなか、ぼくに、せんねんしてくれません。
ゆうべは、ぶあついほんを、あけて、よんでいて、
ぼくに、うでまくらをして、ぺーじをめくっていたけど、そのうちに、
「まて、このままでは、ほんがおもいし、てくびをやられる」といって、
ぼくのしたから、うでをぬいて、からだのむきを、かえました。
ほんを、うえにもちあげているので、ずっとおなじたいせいだと、
てが、いたくなるらしいです。
「わたしも、としだからね。
うっかり、てくびを、いためたら、
それが、いのちとりになるんだよ」
と、かいぬしはいって、ぼくにせなかをむけたまま、
ほんをよんでいました。
ぼくは、しばらくして、つまらなくなったので、
おきて、かいぬしのからだをのりこえて、
はんたいがわにいって、ほんと、かいぬしのあいだに、はいりました。
「うわあ、やめてよ、いま、いいところなのに」
と、かいぬしは、なげきながら、
ぼくのわきから、くびをのばして、ほんをよんでいました。
つくりばなしなんかの、なにがそんなに、いいのかな。
ぼくも、かいぬしも、ねたり、おきたり、
あっちをむいたり、こっちをむいたりしているうちに、
よがあけて、あかるくなりました。
「なんだか、ねむれなくなっちゃった」といって、
かいぬしは、あさの、こーひーをいれはじめました。
ぼくも、おきていって、「おやつ」をもらいました。
それから、にわにでて、よそのねこを、みはりにいきました。
このしゃしんは、ぼくが、そうやって、
にわで、まわりを、みはってるときのです。
「しらないひとがみたら、つよそうで、
りっぱなねこに、みえるじゃないか。
『できるおとこ』というかんじでさ。
じっさいは、かんじょうひょうげんの、へたな、
あまえかたもしらない、へたれなのにね」
と、かいぬしは、いいながら、
「でも、こうやって、おそらを、はいけいにすると、
いかにも、あきの、ねこってかんじがする」と、いいました。
ぼくも、そうおもいます。