1. TOP
  2. 岬のたき火
  3. 日記
  4. あっと言う間に大型連休

あっと言う間に大型連休

四月いっぱいに家を片づけて、五月に入ったら勉強一本槍で行こうか、しかし、それでは遅すぎるから四月中に勉強モードに入るべきか、などと考えていたら、もはや五月は目の前か。

先日、よんどころない用件で博多の繁華街(天神)に行ったのだが、たしかに人は少なかったし、店もあらかた閉まっていたが、うらうらといい天気だったからか、さほどゴーストタウンという気はしなかった。むしろ駐車場も街路もがらがらで、いつもこんなに空いていたらいいのにと不届きなことを考えてしまった。

しかし、商店や店はどこも深刻らしい。もうひと月もこのままだったら廃業するしかないという声を肉声で初めて普通に耳にした。
そして、写真を通して見ると、たしかにがらんとして普通ではない。

以前、ブラック企業に勤めていた卒業生が、わりと天神の近くの会社だったのだが、早朝出勤の深夜帰宅が毎日で、天神の地下街も地上の繁華街も、店が開いているのを見たことがないと言っていたが、彼が毎日見ていた風景もこんなだったのだろうか。

地下街は空気の流通が悪いと皆思うのか、特に人が少ない。
それと、地上では、案外マスクをしていない人が多いのにもちょっと驚いた。さすがに、この時期繁華街に来る人はちがう(何がかは知らないけど)。

もう廃業するしかない、店を開けていても借金がかさむばかりで、まだ小さい娘の学資のための貯金には親として絶対手をつけたくないし、と言っていた人は、ふだんは私と安倍晋三の悪口とか言い合うのだが、もう政治全体に絶望している雰囲気で、早くワクチンが発見でもされないことには希望はまったくないと話していた。そして、自分たちのようなちゃんと必死で働いて来た者にも、バイトしかしていないような学生にも一律十万というのは本当にわりきれないとも言っていた。

一人ひとりがそれなりの展望や計画や希望を持ち、たがいの窮状をこまめに点検して納得できる配分をするような無理な工夫ではなく、とりあえず皆に息をつかせるためには、もっともっともっと潤沢な補償をしなくては、一番がんばって社会を支えて来た人たちが倒れてしまうと、肌で感じた。

医療崩壊とか言われる現場では過酷で危険な労働が続く一方、得意で好きな仕事ができなくて不安の中でじっとしていなくてはならない人が圧倒的に多くいる。死ぬまで使い倒されるのもとんでもないが、生きがいを奪われて弱っていくのも、それに劣らずひどすぎる。この状況は本当にいつまでももつものではない。

のんきなことを言いすぎるが、せめてこれが、この季節でよかったのかもしれない。一年で一番美しい、さわやかな気候と風景の中だから、まだ耐えられる人が多いのかもしれない。暗くて寒い時期だったら、酷暑の中だったら、本当に死にたくなる人がもっといたんじゃないだろうか。

安倍晋三はもはや何だかどうしているのかもよくわからないが、代わりに維新や橋下が持ち上げられているのは、本当に危険だしやりきれない。私に言わせれば、両者はまったく同じですよ。失礼をかえりみずに言うと、安倍が臆病なナメクジなら橋下は凶暴なムカデです。(失礼というのは、むろんナメクジとムカデに対してです。)

しかし、テレビも新聞も大変なのはわかるけど、こんな時に何をどう報道するか急いできちんと考えなくてはいけないよなあ。私に名案があるわけではないけれど、今こそ、ことばや情報を広く発信できる力を持っている者の責任は重いよ。

まあ、明日は、というか夜が明けたら、もうちょっと楽しいことでも書きますね。とか言って最近予告倒れが多いですが。

Twitter Facebook
カツジ猫