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あとしまつ

昨日書いた横浜の米軍機墜落事故本当に本当にひどい話だった。ただ家にいただけの若い母と二人の子どもの上に米軍機が墜落、パイロットはパラシュートで脱出(市街地の上に落ちるとわかってたら、意地でも死んでも最後まで海かどっかに飛ばそうとしないのかい。もしかこれがヨーロッパかアメリカの街だったら同じことしたのかとつい聞いて見たくなる)、三人は大やけどを負って入院、子どもたちは苦しみ続けて死に、一人は死ぬ前に「ぽっぽっぽ、はとぽっぽ」の歌を歌ったと言う。

お母さんにそのことは知らされないまま、子どもたちに会うことだけを支えに彼女はやけどのあとの緑膿菌を殺すために硫酸みたいな劇薬の入浴の毎回死ぬような苦しみと痛みに耐えつづけた。そして、やや回復したとき、子どもの死を知らされて絶望の淵に沈み、精神を病んだ。

夫の気持ちはどうだったかと思うとことばもない。ずっと妻を支え続けたが、最後には彼女の希望もあったんじゃなかったんだろうか、離婚する。朝日新聞があとになって特集の連載をしたとき、彼女はカッターナイフかなんかで、窓の網戸を黙って切り裂き続けていたという記事があって、私は胸がつまった。

そんな事件でさえ、今はもう知らない人が多いのだ。昨日リンクしたコメントを読んで、そのことをかみしめる。私も昨日がその日だということなど知らなかった。「沖縄じゃなくても、こんなことが起こるのだ」と、この事件を知らなかった人がコメントしているのを読んで、また胸をつかれる。そうよ、どこでも起こるのよ。普通の家の、家族の上にジェット機が落ちてくるのよ。あなたの台所に。あなたの居間に。子どもたちの上に。ペットの上に。あなたの上に。米軍基地がある限り。戦争を続ける限り。

国葬を記念日にするのか来年もふりかえるのか、そんなことは今のところ知ったこっちゃないが、少なくとも私は今後国葬の話題が出るたびに、その日付が取り上げられるたびに、「米軍ジェット機が三人の母子を殺した日」ということを思い出すことにする。声を出して人に告げることにする。

妻のお兄さんが作った資料室もあるそうだが、年間に訪れる人は一二人だとか。行ける方はぜひ行ってみてほしい。このリンク先の写真も記事も、どうか読んでほしい。

先の計画もいろいろ考えたいから、国葬の話などとっとと蹴り出したいのだが、そうも行かないのでちょこちょこと、落ち穂拾いみたいな話題を。

地元で行われた昨日の抗議デモ。手作り感満載のささやかな行動ですが、この参加者たちが皆、もちろん無償でビタ一文もらうなんて考えもせず参加した人たちだってことは逆に伝わるのじゃないでしょうか。

 

私がさんざんくさした昨日の国葬会場ですが、その後のツイートを見ていると、「卵そぼろ弁当みたいな祭壇」とか「日の丸に黒枠をはめてるのはどうなの」などの指摘も。それで気づいたけど、この日の丸って、アベ氏の勲章やら何やらを並べた下に置かれてるのね。このレイアウトもまるで芸もセンスもないけど、それにしても日の丸を大事にしてるとか好きだとかって人が、ほんとにこの人たちの中にはいないんだなあと、ありありとつくづくと感じる。

例の国葬反対のバナーのコピーは、ファイルに入れてトイレの壁に貼りました。ここには昔「アベ政治を許さない」のチラシで活動していたころの、どなたか絵本作家の方が描かれたかわいいオオカミの「NO ABE!」のチラシも貼ってあって、ちょっとした画廊になってるのです。

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カツジ猫